来栖が在籍していた頃の塾のメインスポンサーは野党から政権党についた民主党だった。在籍の後半期には、既にこの政党は序々に凋落していくという時期にもあたっていた。この事情も塾での修業意欲を高めない原因の一つとなったのかもしれない。もっともこれは多分に責任転嫁の気味があるということには彼自身気づいていた。卒塾後を想定して実務としての政治活動に従事することにはその当時から関心を失うようになっていったのは…
[連載]ミレニアムの黄昏
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小説『ミレニアムの黄昏』【第14回】生田 仁真
【小説】若さゆえの敏感…政治をこころざす青年の右往左往
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小説『ミレニアムの黄昏』【第13回】生田 仁真
【小説】出された課題は「衆議院の国会議員選」への立候補…?
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小説『ミレニアムの黄昏』【第12回】生田 仁真
【小説】「プロの政治家」になるべく遂に男が動き出す…
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小説『ミレニアムの黄昏』【第11回】生田 仁真
【小説】政治への進出を目論むも…男が道を断念した「理由」
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小説『ミレニアムの黄昏』【第10回】生田 仁真
【小説】夢から醒めても…百合のまなざしにとらわれた来栖
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小説『ミレニアムの黄昏』【第9回】生田 仁真
【小説】来栖の夢に現れる百合。2人が交わしたひみつの会話
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小説『ミレニアムの黄昏』【第9回】生田 仁真
【小説】予知能力を持つ少女・百合の「遺書」を読んで…
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小説『ミレニアムの黄昏』【第8回】生田 仁真
【小説】百合が書き残した「遺書」に綴られていた想いとは…
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小説『ミレニアムの黄昏』【第7回】生田 仁真
【小説】私の死んだ後、あの方のこと、よしなに頼みます
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小説『ミレニアムの黄昏』【第5回】生田 仁真
【小説】深まる謎…存在しないはずの百合との共通の「記憶」
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小説『ミレニアムの黄昏』【第5回】生田 仁真
【小説】「娘は生前あなたに愛情を寄せているようでした」
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小説『ミレニアムの黄昏』【第4回】生田 仁真
【小説】残された遺書。百合の母が放つ無言の圧力に、来栖は…
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小説『ミレニアムの黄昏』【第3回】生田 仁真
【小説】私が好ましいと思った方は、あのひとしかいません
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小説『ミレニアムの黄昏』【第2回】生田 仁真
【小説】不可解な夢の中。一軒家を訪れるとお坊さんが来て…
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小説『ミレニアムの黄昏』【新連載】生田 仁真
【小説】突然の呼び出し…百合が遺した不思議な沿岸の港町