残るは三人組だ。戸主は娘の名前で「金融業」とある。自宅から出たごみ袋を調べると、金融業界誌やその新聞が多い。外出は定番の週3回のレストランの食事のみだ。店のテーブルに盗聴器をセットしたいが、毎回席を変えるのが不思議である。それが何かに用心深くなっている証拠ではなかろうかと思える。日用品は食事帰りに娘が揃え、他の二人は寄り道しようともせずに帰宅する。たまに、金融業の会社名のついた車が訪れることが…
[連載]細孔の先 ―文庫版―
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小説『細孔の先 ―文庫版―』【最終回】芦沢 誉明
盗聴器から判明した衝撃の事実。一家が取引していたモノとは?
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小説『細孔の先 ―文庫版―』【第11回】芦沢 誉明
従業員でさえ顔を知らない経営者…調査に協力した従業員の末路
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小説『細孔の先 ―文庫版―』【第10回】芦沢 誉明
「殺人兵器の売人?」国内逃亡した男の驚くべき正体とは…
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小説『細孔の先 ―文庫版―』【第9回】芦沢 誉明
「国のメンツにかかわる仕事だ」頼まれた内容は?
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小説『細孔の先 ―文庫版―』【第8回】芦沢 誉明
一瞬のうちに瓦礫と化した…ひな壇に向けて「放たれたもの」
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小説『細孔の先 ―文庫版―』【第7回】芦沢 誉明
すがりつく老人を心を込めて抱きしめ、外へ出ようとすると…
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小説『細孔の先 ―文庫版―』【第6回】芦沢 誉明
子供の時以来耳にしたことがない自分の名前…なぜ知っている?
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小説『細孔の先 ―文庫版―』【第5回】芦沢 誉明
35年間の人生で初めて、「家族の温かさ」が身にしみた…
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小説『細孔の先 ―文庫版―』【第4回】芦沢 誉明
記憶喪失にしては目配り、手順が良すぎる…男の過去とは
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小説『細孔の先 ―文庫版―』【第3回】芦沢 誉明
記憶喪失になった男。自分の名前すら思い出せないまま…
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小説『細孔の先 ―文庫版―』【第2回】芦沢 誉明
「きっと貴方の力になります」男から地図と資料を手渡され…
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小説『細孔の先 ―文庫版―』【新連載】芦沢 誉明
成功報酬は「5億ドル」!?ある男が突如任された任務とは…