この時代、旅人が村内で行き倒れて亡くなったり、病で倒れた場合、名主経由で代官所に届けねばならなかった。しかし一日二日のことでもあり、名主預かりということで面倒なことでもなければ代官所に知らせる必要もないだろうということになった。この日の出会いが伊助にとって運命の出会いとなった。天明から天保にかけての飢饉を必死に生き抜いていったふたりの人生が今、はじまろうとしていた。時に天明三(一七八三)年八月、…
[連載]ゑにし繋ぐ道 多摩川ハケ下起返物語
-
小説『ゑにし繋ぐ道 多摩川ハケ下起返物語』【最終回】内藤 久男
【小説】浅間山の大焼け…目を覚ました女の話は…
-
小説『ゑにし繋ぐ道 多摩川ハケ下起返物語』【第16回】内藤 久男
【小説】「無礼者、何をする!」血を流す女は脇差に手を掛け…
-
小説『ゑにし繋ぐ道 多摩川ハケ下起返物語』【第15回】内藤 久男
【小説】開墾に精を出す伊助だが、飢饉が始まり…
-
小説『ゑにし繋ぐ道 多摩川ハケ下起返物語』【第13回】内藤 久男
【小説】俺は家を興し、己を興し、大百姓になってやる。
-
小説『ゑにし繋ぐ道 多摩川ハケ下起返物語』【第12回】内藤 久男
【小説】伊助、十年の間よく耐えたな。お前は自由の身だ。
-
小説『ゑにし繋ぐ道 多摩川ハケ下起返物語』【第11回】内藤 久男
【小説】今も我儘なお嬢様だと思ってる?結衣泣いた伊助の答え
-
小説『ゑにし繋ぐ道 多摩川ハケ下起返物語』【第10回】内藤 久男
【小説】伊助の見ている世界と私に見える世界はまるで違う…
-
小説『ゑにし繋ぐ道 多摩川ハケ下起返物語』【第9回】内藤 久男
【小説】伊助は結衣の態度に腹が立ち…「お嬢さん、謝んなよ」
-
小説『ゑにし繋ぐ道 多摩川ハケ下起返物語』【第8回】内藤 久男
【小説】箱入り娘の好きな男へのいたずらはかわいいもので…
-
小説『ゑにし繋ぐ道 多摩川ハケ下起返物語』【第7回】内藤 久男
【小説】わがままな箱入り娘に課されたとんでもない課題とは
-
小説『ゑにし繋ぐ道 多摩川ハケ下起返物語』【第6回】内藤 久男
【小説】使用人からの忠告に「箱入り娘」がとった予想外の行動
-
小説『ゑにし繋ぐ道 多摩川ハケ下起返物語』【第5回】内藤 久男
辛いこともあろうが10年辛抱してくれ。借金が返せねえんだ。
-
小説『ゑにし繋ぐ道 多摩川ハケ下起返物語』【第4回】内藤 久男
またもや洪水被害…しかし移転する土地も費用もなかった
-
小説『ゑにし繋ぐ道 多摩川ハケ下起返物語』【第3回】内藤 久男
炭焼きをなりわいとしている初(はつ)。最初の出会いは…
-
小説『ゑにし繋ぐ道 多摩川ハケ下起返物語』【第2回】内藤 久男
村全体の水害を食い止めるため…自分たちの畑が犠牲に
-
小説『ゑにし繋ぐ道 多摩川ハケ下起返物語』【新連載】内藤 久男
多摩川の氾濫原…ハケ下の地に残り続けた数十軒の百姓家