【前回の記事を読む】「明晩もまた、いらしてくださるか?」夜毎の笛を心待ちになさる姫とは、心の符号さえ感じる。しかし何ぞ忍び泣くことのあろう…ただ一つの彼の心懸かりは、笛を吹き重ね、親しく語り合えば合うほどに繁くなって行く姫の忍び泣きでした。自分にとってはこれほど心楽しい時はないと思われるのに、また姫の語りぶりからもみずみずしい喜びの気持ちが伝わってくるように思われるのに、なぜ姫が泣くのか、宗佐に…
[連載]指切り宗佐 愛恋譚
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小説『指切り宗佐 愛恋譚 』【第4回】星河 三郎
四日目の晩、惹かれ合う二人はついに――「明晩もきっと参ると約束してくれるか?」「何があろうと、必ず参ります」
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小説『指切り宗佐 愛恋譚 』【第3回】星河 三郎
「明晩もまた、いらしてくださるか?」夜毎の笛を心待ちになさる姫とは、心の符号さえ感じる。しかし何ぞ忍び泣くことのあろう…
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小説『指切り宗佐 愛恋譚 』【第2回】星河 三郎
「私共の姫君が、あなた様の笛の音を聴きたいと…私が案内いたしますゆえ」そう言って添えられた手は、驚くほど冷たくて細く…
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小説『指切り宗佐 愛恋譚 』【新連載】星河 三郎
九の歳に重い疫病を患って両目を失明。息子の行く末を思いわずらっていたら、藩内でも有数の篠笛の吹き手に