【前回記事を読む】手白香姫の身が危うい――用心のため男装させたが姫の美しさは人を惹きつける。金村は意を決し越王オホトへの謁見を請うた…弥生の三日目朝方、陽が湖面を照り返している。金村に手を引かれ、馬車から降りてきた手白香姫、一斉に目が注がれた。金村と並んだ彼女の姿は、大和豪族の長にふさわしく、凛として咲く花の如く初々しい美しさを印象付けるかのような、白地に金の縁、襟元は朱色の神々しさである。「大…
[連載]九頭龍王 オホト
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小説『九頭龍王 オホト』【第4回】森長 美紀
越大王オホトには八人の妃がいて、しかもどの妃も自身の子供を王族・社会の一員として育てている
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小説『九頭龍王 オホト』【第3回】森長 美紀
手白香姫の身が危うい――用心のため男装させたが姫の美しさは人を惹きつける。金村は意を決し越王オホトへの謁見を請うた…
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小説『九頭龍王 オホト』【第2回】森長 美紀
「隣の伽耶・任那を譲ってほしい」――やっと脳なし非道の王が崩御してくれた矢先に届いた密書。私が大国「越」へ出向くしかないのか
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小説『九頭龍王 オホト』【新連載】森長 美紀
戦乱に敗れ、命からがら倭へ渡来した人々が築いた北陸の大国・越王国。同じ時期、大和地方でも王国や豪族連合が形を成してきて…