【前回記事を読む】羽衣を脱ぎ長い髪を束ね剣を舞う姫君 その美しさに越の人々が息を呑んだ春の宴「今、春祭りが始まったばかりです。成りゆきで手白香姫の将来を決める場ではありません。また日を改めて、大和の大連大伴氏と手白香姫から要望をお聞きしたいと思いますが、よろしいでしょうか」場は収まった。いつの間にか、西方・国見岳へと陽が沈んでゆく。大王が立ち上がる。夕陽に手を合わせ「国土安穏・万民守護」力強く唱…
[連載]九頭龍王 オホト
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小説『九頭龍王 オホト』【第6回】森長 美紀
春祭りに心を解かれた大和の姫――越国で見た祈りと笑顔、そして人間らしい豊かな暮らし
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小説『九頭龍王 オホト』【第5回】森長 美紀
羽衣を脱ぎ長い髪を束ね剣を舞う姫君 その美しさに越の人々が息を呑んだ春の宴
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小説『九頭龍王 オホト』【第4回】森長 美紀
越大王オホトには八人の妃がいて、しかもどの妃も自身の子供を王族・社会の一員として育てている
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小説『九頭龍王 オホト』【第3回】森長 美紀
手白香姫の身が危うい――用心のため男装させたが姫の美しさは人を惹きつける。金村は意を決し越王オホトへの謁見を請うた…
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小説『九頭龍王 オホト』【第2回】森長 美紀
「隣の伽耶・任那を譲ってほしい」――やっと脳なし非道の王が崩御してくれた矢先に届いた密書。私が大国「越」へ出向くしかないのか
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小説『九頭龍王 オホト』【新連載】森長 美紀
戦乱に敗れ、命からがら倭へ渡来した人々が築いた北陸の大国・越王国。同じ時期、大和地方でも王国や豪族連合が形を成してきて…