幻覚と現実の交差注射器で毒を打たれそうになり、私は打たれまいと速い呼吸を繰り返していた。「落ち着いて、深呼吸して、ゆっくりと」看護師さんの顔が目の前に見えた。点滴の針を取り替えているところだ。それなのに殺人鬼扱いされたのでは、看護師さんもたまったものではない。私はラジオ局に助けを求めた。病院に監禁されている私と家族を助け出してくれと訴えた。しばらくすると大勢の人が病院を取り囲み、何人かが病院に侵…
[連載]ある朝、突然手足が動かなくなった ギランバレー症候群闘病記[注目連載ピックアップ]
-
エッセイ『ある朝、突然手足が動かなくなった ギランバレー症候群闘病記[注目連載ピックアップ]』【最終回】市川 友子
殺し屋の看護師たちが私にのしかかっていた。とうとう腰の骨を折られて殺されると覚悟した。
-
エッセイ『ある朝、突然手足が動かなくなった ギランバレー症候群闘病記[注目連載ピックアップ]』【第11回】市川 友子
車が窓に立てかけられ、天井からはずっと私を見張る医師の姿。体の機能が停止した分、聴力が発達したと本気で信じていた。
-
エッセイ『ある朝、突然手足が動かなくなった ギランバレー症候群闘病記[注目連載ピックアップ]』【第10回】市川 友子
幻覚や妄想の症状:天井から血が滲み、殺人犯の怒鳴り声。逃げたくても動けない恐怖は頂点に達した。
-
エッセイ『ある朝、突然手足が動かなくなった ギランバレー症候群闘病記[注目連載ピックアップ]』【第9回】市川 友子
人工呼吸器は取れたが、私の喉は穴が開いたままだし、足首も固まったまま。こんな状態でリハビリができるのだろうか。
-
エッセイ『ある朝、突然手足が動かなくなった ギランバレー症候群闘病記[注目連載ピックアップ]』【第8回】市川 友子
「自分もリハビリを頑張れば治るかも」相部屋の重症患者の中で1人、ギランバレー症候群の私だけみるみる回復。
-
エッセイ『ある朝、突然手足が動かなくなった ギランバレー症候群闘病記[注目連載ピックアップ]』【第7回】市川 友子
娘に髪を切ってもらう。ひと月の間に首から下の筋力がなくなって、2週間で再び動き出した。
-
エッセイ『ある朝、突然手足が動かなくなった ギランバレー症候群闘病記[注目連載ピックアップ]』【第6回】市川 友子
「殺される、やめて、死んでもいい」幻覚と現実の区別がつかず、癇癪を起こし手を拘束された。
-
エッセイ『ある朝、突然手足が動かなくなった ギランバレー症候群闘病記[注目連載ピックアップ]』【第5回】市川 友子
手足は動かないが、ほとんどの人が生き延びている。年間10万人に1人の難病に、少しだけ光を見出す。
-
エッセイ『ある朝、突然手足が動かなくなった ギランバレー症候群闘病記[注目連載ピックアップ]』【第4回】市川 友子
私が見られる景色は白い天井と、点滴が落とす水滴だけ。声も出せなくなり、話ができないことの辛さは想像を超えた。
-
エッセイ『ある朝、突然手足が動かなくなった ギランバレー症候群闘病記[注目連載ピックアップ]』【第3回】市川 友子
脳から手足へ伝達する神経が機能しなくなる。手足に始まり、喉の筋肉も動かなくなり、しだいに呼吸困難になっていった。
-
エッセイ『ある朝、突然手足が動かなくなった ギランバレー症候群闘病記[注目連載ピックアップ]』【第2回】市川 友子
急激に進行する病状。1時間前まで自力でベッドに移れていたのに、両腕はゴムのように手応えがなくなってしまった。
-
エッセイ『ある朝、突然手足が動かなくなった ギランバレー症候群闘病記[注目連載ピックアップ]』【新連載】市川 友子
"その日"の前日まではいつも通り。2駅先まで散歩をして、精力的に動き回っていた。