春になれば食えるものは柳虫、ザリガニ、雷魚でも何でも食べた。だが、さすがに蛇は食べたことがない。私達兄弟は単に獸のように飢えていたのだ。ただ、普通の人間にある日常的感情は私には希薄であった。自分の欲しいものを手に入れることができなければ諦めるのは簡単であった。始めからないと思えばよかったのである。私のこの合理的なものの考え方は幼い頃からすでに備わっていた。始めからないものであれば私の個人的な感情…
[連載]孤高の歩み—虚無から創造精神へ—
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エッセイ『孤高の歩み—虚無から創造精神へ—』【第4回】梅崎 幸吉
母は、精神病の父に離婚を迫った…母には男がいたのだ。この人は母じゃない、単なる他人だ。女だ。いやメスだ。
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エッセイ『孤高の歩み—虚無から創造精神へ—』【第3回】梅崎 幸吉
冬でも夏の格好だった兄、私、弟。足は裸足で、家には塩すらない。ただ井戸があったから水だけはいくらでも飲めた…
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エッセイ『孤高の歩み—虚無から創造精神へ—』【第2回】梅崎 幸吉
「よそ者」を受け付けない村社会。入院した父と、失踪した母、残された子供たちを待ち受けていたのは...
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エッセイ『孤高の歩み—虚無から創造精神へ—』【新連載】梅崎 幸吉
二十六歳の時に霊的認識による純粋思考体験となる強烈な神秘体験を経験