「や、おまたせした。典獄(てんごく)(刑務所長の旧称)殿が多忙でな。かわりに本官が面談する。……ん? 警部一人かね?」工事現場に勤務する警視が、竜興の前に現れた。「はっ、警視庁より派遣されました、警部・鈴木竜興であります。なお、それがし、医術の心得もございます」「おう、これは心強いな」警視は竜興が提出した紹介状や書類に目を通して、満足したようだった。「もしもし、そこのおじさん。隙を見て逃げるおつ…
[連載]紅の脈絡
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小説『紅の脈絡』【第4回】水無月 慧子
「隙を見て逃げるおつもり?」「ご冗談を!あっしは診察を…」「では、どうして救護小屋で待っていらっしゃらないのかしら?」
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小説『紅の脈絡』【第3回】水無月 慧子
「鈴木がよろしいわ、鈴の実る木だなんて、ステキだわ」一行は日本人に化け、地球に不時着することに。
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小説『紅の脈絡』【第2回】水無月 慧子
気が付くと青白い光が目の前に現れた。気が付くと監視小屋の前には穏やかな顔の5つの死体が並べられていた
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小説『紅の脈絡』【新連載】水無月 慧子
道路工事に当たった囚人のうち、211名が命を落とした。その中には鎖をつけられたまま脱走を試みたが捕まった者も…