今度はエリザベスが驚愕する番だった。全く信じられない言葉を聞いてしまったというような恐ろしい顔付きをして宗像を見返した。かと思うと、それは一瞬、真っ青な顔に変わり、きつい眼つきで宗像を睨みつけた。だが一方で、それを言うべきかどうか逡巡していたようだった。しかし結局最後は憑きが祓われたように、か細い静かな声に変わった。「あなたはなぜその名前を知っていらして? まだあなたには言ってないはずのこと? …
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