第二章 私の学生期~家住期
22歳~75歳までの「家住期」 一家の主として
昭和48年(1973年)は第四次中東戦争により、国内ではオイル・ショックに見舞われ、店頭からトイレットペーパーがなくなりました。そして、戦後初めて実質マイナス成長を経験し、「高度経済成長」は終焉を迎えました。
海外販売が主流だったわが社の業績は、軌を一にして、業績が悪化していきました。
私は、『団塊の世代』(堺屋太一著)の第一話の主人公・富田茂樹が経験したと同じ体験をしていることを不思議に思いながら読んだ記憶があります。
A電機工業に入社し、社長秘書役付から地方支店等を経験し、その後は社長室企画課長として、業績が落ち込んだ会社の立て直しを指示されました。
彼は、将来を見越して会社に「コンビニエンス・ストア・チェーン」の新設を提案しました。最終的にはコンビニを退職金がわりに引き継いで店を継続するという話です。
A電機工業は、私の就職先の会社と同じ音響製品を製造・販売する会社でしたが、業績が下降状態になり、新規事業を推進することになりました。
我が社も、ディスカウント・ストアを全国展開する会社に買収され、当時は、販売会社がメーカを吸収する「垂直統合」ということで話題をさらったこともありました。私は、富田茂樹と違って、途中で退社を決意しました。入社して15年、37歳の時でした。