【前回の記事を読む】モーツァルトゆかりの地。中世の街並み残るザルツブルクを巡る
1998年9月19・20日(土・日)ネッカー川都市紀行(ハイデルベルク、マンハイム)
-『アルト・ハイデルベルク』の舞台となった美しい古都-
ネッカー川はドイツ南西部の広大な丘陵地帯黒い森を水源としてライン川に注ぐ川です。先週金曜日までデュッセルドルフ支店出張そして月・火曜日とパリ支店出張だったため週末を利用してネッカー川畔プファルツ選帝侯国の首都ハイデルベルクと、その下流ライン川との合流地点マンハイムに行ってきました。
土曜日の早朝デュッセルドルフからケルン、ボンとライン川沿いに遡って行くと6月に川下りを楽しんだ峡谷地帯に入ります。列車は狭い川岸をライン川に沿って走りますので川下りで眺めたいろいろな城、町、景観が次々に眼に入ってきて嬉しくなりました。ライン川の中洲に立つプファルツ城は一連の古城の中でも特に有名ですが、ハイデルベルクの領主だったプファルツ選帝侯の関税徴収所だったことが日曜日に見学したプファルツ選帝侯博物館の展示で分かりました。
ハイデルベルク到着は正午、中学か高校時代に『アルト・ハイデルベルク』を読んだ時のはるかな記憶とその名前の美しい響きから昔から行ってみたいと思っていた町です。
ハイデルベルクはまたドイツ有数の大学町としても有名で、1386年プファルツ選帝侯ループレヒト1世(在位1356年~1390年)によってドイツで最も古い大学が設立されたのが始まりです。町全体にえんじ色の砂岩で造られた建物が多く第二次世界大戦による破壊を免れたため今でもドイツ・ロマン派の詩人たちに愛された中世都市の佇まいを残しています。
地形的にはネッカー川が峡谷地帯から流れ出るところにあり、ライン川上流盆地を押さえるのに絶好の位置にあります。川を見下ろす高台に立つハイデルベルク城の位置は3週間前に行ってきたザルツブルク※注1)と同じで、平野部を扼する地点という意味では2月に行ったドレスデンとも通じるところがあり時代、環境が同じだと皆同じようなことを考えるものです。