俳句・短歌 四季 2022.03.31 歌集「漣の夢」より3首 歌集 漣の夢 【第99回】 上條 草雨 中国江蘇省・無錫に留学し、その地の美麗さに心奪われた著者が詠み続けた、珠玉の短歌二一〇〇首と三九首の漢語短歌を連載にてお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 Tシャツの夕闇時ゆうやみどきの女学生魅力膨らむ乳房ちぶさに惹ひかれ 帰宅後に涙しながら慕わしく愛しい人の面影想う 降る雨に快活に立つ草木くさき哉生きてく糧かてに濃くなる緑
小説 『超能力探偵 河原賽子』 【第6回】 春山 大樹 急に連絡が途絶えたストーカー男の様子見に、家を訪ねた。電気は点いているのに返事がない。こじ開けたドアの向こう、見えたのは… 【前回の記事を読む】ストーカー気質の男の相談で探偵事務所を訪れた。「大抵の男はこれで震えあがる」とすすめられたオプションは…林良祐の家は都心の住宅街にあった。築40年以上は経っているであろう古ぼけた2階建ての木造家屋で、周囲は塀で囲まれているが庭は非常に狭く、そこに植えているというより勝手に生い茂ったような笹が周囲からの目隠しになっていた。西側に細い路地があり、そちら側に庭の小さなゲートがあり、…
小説 『娘からの相続および愛人と息子の相続の結末[注目連載ピックアップ]』 【第8回】 川井 れもん 「12時38分対象患者死亡」——娘が死んだ。今まで体験したことの無い悲しみと苦しみ。この気持ちを元夫であるあの男にも… 【前回の記事を読む】結婚して新生活を始めたはずの娘が実家に戻ってきた。旦那とは離婚し、慰謝料をもらったという。原因は旦那の不倫と…そんな過去を体験して現在の状況となった私達は、病院内の待合所で元夫に、もし直美が最悪の結果となった時に、連絡をするか否かを激しく言い合っている最中に、雄二の携帯電話の着信音が鳴った。急いで発信先を確認すると、さっきまでいた集中治療室からだった。雄二が電話で話を聞き終わ…