俳句・短歌 四季 2022.03.10 歌集「漣の夢」より3首 歌集 漣の夢 【第96回】 上條 草雨 中国江蘇省・無錫に留学し、その地の美麗さに心奪われた著者が詠み続けた、珠玉の短歌二一〇〇首と三九首の漢語短歌を連載にてお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 文化課ぶんかかの太極拳の初日しょにち目めに 見よう見真似で習う楽しさ 薄晴うすはれの爽やかな昼街まちの木々 涼しさに満ち葉影揺れてる 年金で上海に行く風景に 高速車多々たた緑を映す
エッセイ 『えつの大きなひとりごと。』 【第3回】 えつ 下校中、突然ぬかるんだ田んぼに突き落とされた……さっきまで笑顔で「一緒に帰ろ!」と言ってくれた彼女が、同じ人物とは思えず…… 【前回の記事を読む】おばあちゃんは、お化粧をして眠ったように綺麗だった。足袋を履かせる時、冷たくて重くて、硬くてまるで大きな人形みたいで…白いラインの入った黒のセーラー服の袖に腕を通して、結んだ白いリボンが胸元にふわりと揺れる。中学校は二つの小学校が合わさって7クラスもあったんだ。もちろん知った顔もあるけど、同じ制服に身を包んだ半数は知らない人。校則もありルールも増えたけど、私の世界はぐんと広が…
小説 『野島・夏島』 【第8回】 小川 賢 昭和16年12月8日、ラジオが真珠湾奇襲を告げた…開戦の1カ月前、外国人は次々と去り、横須賀軍港でも異変があった。 【前回の記事を読む】中尉の奥さんになる人ですかと聞かれた。「こんなきれいな方が奥さんになるなんて……」。違う、私は彼の……奈津は実家で叔母からその写真を見せてもらっていた。少しぎこちなく写っていたが、着物姿の端正な顔立ちの女(ひと)だった。「善通寺の商家の娘さんだって」「分かった。一度家に帰って両親と話し合うよ」貞義は納得したようだった。一時間程で面会は終わった。「寒川のやつ俺の従妹に関心があっ…