俳句・短歌 句集 2022.02.16 句集「八ヶ岳南麓」より三句 句集 八ヶ岳南麓 【第50回】 浅川 健一 八ヶ岳の麓で暮らす医師の、四季折々の俳句集 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 一気呵成に青梅を落としたる 缶ビール山は薄墨色に暮れ ひまはりの大きな影に腰おろす
小説 『アイアムハウス』 【新連載】 由野 寿和 静岡県一家三人殺害事件発生。その家はまるで息をするかのように、いや怒っているかのように、大きく立ちはだかり悠然としていた 午前十一時。サイレンを鳴らさず、車両は静岡県藤市十燈荘(じゅっとうそう)に到着した。静岡中央市にある県警本部から十燈荘までは、藤湖をぐるっと大回りして藤市経由でトンネルを通り、小山を登ることになる。藤湖を見下ろす高級住宅街、十燈荘は、土曜の昼だが活気はない。既に外部への交通規制が敷かれているとはいえ、不気味に静まり返っている。ここで殺人事件があったことを、住民達が知っている気配はなかった。その家…
小説 『維新京都 医学事始』 【第22回】 山崎 悠人 その産科医は、母子の死を覚悟した。死産児を取り出すことも諦めて…。―緊急の往診で到着すると、消耗しきった妊婦が… それらの遊びでは、負けた方が酒を飲むという決まりがあったが、最年長でヨンケルと同じ四十四歳の山本覚馬は加わらず、一人静かに酒を楽しんでいた。宴はしだいに、大盛り上がりとなっていった。万条と安妙寺は座敷の隅で、そんな大人たちの遊びを遠慮気味に見守った。何もかも初体験で、さすがにその輪には入れなかったのだ。一方、ヨンケルは芸妓や舞妓の白塗りの顔と、その華やかな衣装に興味津々の様子だった。酔いも手伝い…