生まれ故郷の街に想うこと
私は病院経営が軌道に乗って自分なりの役割を果たしたと感じられた時に、次のステージとして政治の世界へと飛び込みました。それまでに政治に携わった経験などありませんし、家族に政治家がいるわけでもありません。しかし、当時はいわゆるバブルと呼ばれる好景気の時代で、税金など公共の予算を使って施設を造ったり、道路を造ったりなど、さまざまな形で地域に貢献できることはとても魅力的だと感じたのです。
小矢部市は富山県の西部にある山間の町で、江戸時代には加賀百万石で知られる加賀藩の領地でした。地理的には富山と金沢の境界線に近く、北陸道の要所・宿場町として栄えました。現在は、鉄道や高速道路などの交通インフラが充実していることから、大手企業の工場なども数多く進出しています。
また、休日ともなれば大手のアウトレットモールが大いににぎわうほか、東京・赤坂の旧霊南坂教会や迎賓館を模した津沢こども園、東京大学やオックスフォード大学の寮などを模した大谷中学校、スイスのキャッスル・オブ・スピリット、英ビッグベンなどを模した石動中学校など、ヨーロッパの有名建築を模して建てられた保育所や学校などが立ち並ぶ「メルヘンの街」としても観光客の人気を集めています。
小矢部という街は富山の田舎町ですが、芸術や文化・文芸などの活動は比較的活発だと感じます。小矢部市の美術展覧会は市制発足の翌年からスタートし、現在まで続けられています。また毎年、文化の日を中心に小矢部市芸術祭を行っています。この芸術祭は、市内の文化団体がさまざまな活動成果を発表する場であり、市民がそれらの作品を鑑賞する場ですから、市民一人ひとりの創造への興味・関心につながってほしいという思いがあります。