上司のことばかり気にする監督者にはなるな
具体的な解決法として一番メンバーが喜ぶのは、チョコ停(標準作業以外での不稼働時間。手を出さなくてよいことになっているが、M/Cや材料の異常で手を出さざるを得ない。ちょっと手を出す、手直す動作の時間)やトラブルを直し、作業をやりやすくすることです。2
それがコミュニケーションにつながり、会話が始まります。まずここからコツコツと始めていけば、メンバーの気持ちも変化してきます。
メンバーが連絡してきたチョコ停を直さずそのままに放置すれば結果として不稼働時間が積み重なり稼働時間は減り、当然生産が落ちます。
また、手を出す動作が原因で災害が発生しやすい。手を出す行為は災害を発生させる一番の要因です。
チョコ停が多ければすぐに災害につながります。メンバーが困っていて原因がわからない時はビデオカメラ等を設置して見つけ、早めに対策することが非常に重要です。不具合を早く治すことでメンバーは楽になり、結果スムーズに生産できてくるので喜ぶでしょう。
このようにメンバーの困っていることを改善する。その結果、監督者とメンバーの信頼関係が築かれてくるのです。それがわからない監督者がどんどん増えてきています。
経験が少ないのでこうあるべきという考え方、信念が乏しく、文句を言われないように上ばかり見て仕事をするので、メンバーと話もせず、ますますメンバーの心理を掴めなくなります。
つまり結果ばかり気にして、上司から叱られないようにする方法ばかり考え、その日暮らしをしている。こんなことでメンバーのモラルが上がるとは思えません。
監督者は、空いている時間はなるべく全員のメンバーと接し、困っていることはないかなど雑談でもよいので必ず話すことが重要です。そこからコミュニケーションが始まり、それを続けることでメンバーの性格もわかってきます。
そうすることで相手を理解できますし、自分の考えも話すことでお互いが少しずつ理解し合えるようになってきます。監督者として失敗をさせないためには、メンバーを大事にすることです。簡単に信頼関係はできません。
若ければ当然年配者からは抵抗が出てくるものです。そのためには長い年月がかかります。同じ考え方、納得いく理論と行動が必要です。
ハイとすぐに返事して行動するイエスマンには要注意です。必ずそのメンバーは行動を確認してください。意見を言わないメンバーは何を考えているかわかりません。
逆に、しっかり本音を言うメンバーは重宝ものです。仕事自体を良くしたいから強い意見をぶつけてくるのです。そんなメンバーにはいろいろと本音で監督者が困っていることなど相談を持ちかけ、考え方を聞くことが重要です。
メンバーの得意なところや不得手なところもわかって、メンバーの心も見えてくるでしょう。
監督者たるものはいろんな経験を積むことでメンバーが困っているときに、良いアドバイスができると思います。