上司のことばかり気にする監督者にはなるな

上司によって発言が異なるという問題があります。上層部が多いと当然性格も違い、同じ上層部でも、こんなところに文句をつけるのかとか、大したこともないようなところで指摘をし、好き嫌いがかなり出ます。これは、監督者やメンバーにも同じことがいえます。

だからこそ信念通りに行動している監督者とそうでない監督者とで、上を向く割合が変わるのです。自信があればそんなに気にする必要はありませんし、上司もメンバーもしっかり見ることもできます。偉い人を知っていないと、何かあったときに拾ってもらえない。だから上を向くなど、自分の仕事に自信のない人ほど行動に現れてくるのです。

でも自信過剰もいけません。やはり礼儀は守らないといけません。これは最低限大切なことです。好き嫌いは人間なので仕方ないのですが、これでは全体を統率することはできません。納得できないような指摘を出すのは逆効果だと思います。

上層部は確認などで工場内に入ったら当然欠点が目に付くことがあります。これは見るべきポイントがそれぞれ違うので仕方ありません。完璧な人はいません。ましてや工場には約600人ほどのメンバーが働いているので、全員を完璧に統制することはできません。

工場ごとに現状を確認し、現状から手が届くところに第一目標を立てて段階的にレベルを上げていくことが大事ではないでしょうか。二度手間にはなりますが、しかしレベルは上がってくると思います。失敗があって当たり前なのです。人は失敗から多くを学ぶものです。

問題なのは、上層部が機嫌が悪くなったり叱りだしたりすると、そちらのほうばかり気にして、現場のメンバーを育てるほうには関心がいかなくなることです。また監督者も上層部の顔色ばかり気にするようになってくるといろんな問題が増え、次々に発生する問題に追われていくのではないかと思います。

間違っているかもしれませんが、上層部の考え方のバラツキは少しでもすり合わせていくべきと思います。そして指摘は後ではなくてその場でしたり叱ったりすることが大事です。その後の飲み会や意見交換会などでなぜあそこで叱ったのか、しっかり指導し、大きい声を出してすまなかったと心から正直に謝ることも、メンバーを活性化させる非常に大切なコツだと思います。

偉い人がわざわざ謝ってくれたことが印象に残り、「よし、また頑張ろう」という気が出てきます。理にかなった叱り方は誰でも認め、やる気も出てきます。工場も生き生きとしてくるでしょう。そして上層部から下へ考え方も一気通貫させることが会社を100年以上存続させるために重要だと思います。そうすれば会社はこうあるべきという信念を構築させることができるのではないでしょうか。

会社全体がわかり、初めてひとつにまとまっていくのです。その考え方を下へしっかり落とし込み、階層ごとにやるべき標準を作って、教育、実践、フォロー、改善していくことが重要です。どんなに自動化が進んでも、それを直したり使うのはあくまで人です。重要なことは、人をいかに育てるかではないでしょうか。企業は人がすべてなのです。