2.ファモチジン(ガスターⓇ)(図4)
頭部分にはNの代わりにSが1個入ってきています。途中にもSが入りますが尻尾の先は他よりCが1個分先の2個のNで終わります。
3.ラニチジン(ザンタックⓇ)(図5)
頭が酸素Oと二重結合を含む五員環に変化していますが、途中Sを含む尻尾を持ちNで終わります。
4.ラフチジン(プロテカジンⓇ)(図6)
ラニチジンと同じ頭をもち途中のSを経由しNで終わる尻尾を持ちますが、途中にOとの二重結合を2つ持っています。この薬は6成分のうち唯一の肝消失型薬でもあります。
まとめ
抗ヒスタミン薬全般をヒスタミン本体と比べると、オタマジャクシを含む長めの構造になっています。またH2受容体拮抗薬は、全般的にH1受容体拮抗薬と比べて分子が細長く、基本構造がしっかり維持されている印象があります。H2受容体拮抗薬の頭の形はヒスタミンと比較的似ているのでH1受容体に対してもある程度拮抗作用を持つ可能性があるかもしれません。
一般にH1受容体拮抗薬は抗コリン作用も持っています。つまり構造上のどこかにアセチルコリンと似て非なる構造があるはずですが、それはどこなのでしょうか? ちなみにアセチルコリンの化学構造は図7のようになっています。
薬の構造上の知識が現場の仕事でどれほど役に立つかは分かりませんが、問題意識は持っておいた方がよいでしょう。思わぬところで役立つ場合があります。