転職活動
虚しい研修は千葉県幕張で行われていました。
自宅から結構遠いので、毎朝早く出掛け、夜遅く帰って来るわけです。京葉線に乗ってぼーっとしている日々が続くうち、「転職しよっかなー」と思い始めました。
するとどうでしょう。私と同じように考えている同期が結構いて、半年も経たないうちに先に辞めていく同期が出始めたのです。そうなると気持ちはもう転職一直線、「早くここから出たーい」となるのです。
銀行が第二新卒を募集しているのを知ったのは新聞紙面でした。
「うーん、銀行かあ。いろいろな業界を学べてコンサルに近いものがあるし、一丁受けてみるか」
と安易な気持ちで応募したのです。
事実、コンサルと銀行は親和性が高くて、銀行出身のコンサル多いです。しかし、その逆の動き、コンサル出身の銀行員は少ないと思うのです。
後述しますが、銀行独特の世界があって「銀行やばい」と気付いているのでしょう。私はその動物的嗅覚、持ち合わせていませんでした。
正しくは、動物的嗅覚でもなんでもなく、しっかり業界調査をすればよかったのです。たくさんある後悔のうちの一つです。
面接では転職の動機をしっかり伝えたはずです。
「システムを中心にキャリアを構築するつもりは微塵もないんです。経歴を見ると、IBM出身で学歴も情報通信とか書いてあるからシステム大好きな人と勘違いしているかもしれませんが、すべて偶然なんです。偶然っていうのがダメならボタンの掛け違い、間違いなんです。本当はシステム大っ嫌いなんです。嘘じゃないっす。だから転職活動してるんです。システム好きなら転職するはずないでしょ、IBMなんだから。本当は留学経験を活かしてグローバルに活躍したいんです、システム以外でね。よろしく!」
細かいことは忘れましたが、こんなことを言いました。すると面接官が
「いいねー、君ぴったりだよ。当行はグローバル展開を進めているし、銀行でコンサルとは違うキャリアを築けるよ」
というのです。信じた私がバカでした。後悔その二。