IBMとの対決
早速IBMにいちゃもんをつけにいきました。「おいおいー、どうなってんだよ。お前ぼったくりか? 米州よりたけーじゃねーかよ。何隠してんだよ。同じシステムなのに日米でどうしてこうも差がつくんだよ」
古巣のIBM、運命の歯車を狂わせたIBM、ヤクザのように因縁をつけにいきました。
すると先方の担当者が「ごめんなさい! 確認します」と言うのです。
後日、部長を連れて謝りにやってきました。「すいませんでした! 米州並みに引き下げます。だから、今後も使い続けてちょーだい!」
こちらの部長もヤクザです。「そんな謝り方じゃダメ! もっとまけてくれないとダメ! ぼられてた分まで安くしないとダメ!」値引き後の料金体系を再検討していただくことになりました。
改めて提示された料金体系は安くはなっているのですが、二つ条件がありました。一つ、米州が使うことでライセンス数が現在より増えること。二つ、このシステムを使うことによってどのような業務改善がされたのか、インタビューを行い記事にするということでした。
条件を確認した上司が私を見て言います。「頼むよ、インタビュー」自分が引き受ける気は全くありません。
「はあー、何でこうなるかなー。業務改善って言っても記事になるようなすげーことねーぞ」勝手にインタビューを受けるわけにもいかないので、広報に確認します。
すると、曖昧な回答が返ってくるのです。「インタビューを受けてもいいですが、当行のレピュテーションリスクをよく考えて回答してください」
レピュテーションリスクと言われても何だか曖昧でよくわからないため、IBMから参考となる他社事例を取り寄せました。すると、担当者の写真と共にシステムの業務貢献に関わるストーリーが延々と記載されていたのでした。
「マジかー。こんなになげー話するの無理。ってゆーかめんどくせー。大体オレのバカ面、世の中にさらしたくねーし」決意しました。この話、なかったことにしようと。
そして米州に電話したのです。「あのさぁ、このシステム使いづらいし、別のシステムにしない? アメリカならほかにも安くて似たようなシステムあるでしょ? 例えば〇〇とか××とか」
すると「あれっ? どうして急に風向き変わったの? つい最近まで強烈にこのシステム推してたよね?」不審がられました。
当然です。ここは正直に実情を話すか迷いましたが、やめました。システムのデメリットを強調しまくり、インタビューの棚上げに成功したのです。
「お前、おかしくないか? そのシステムの担当なのにデメリットばかり言って。改善しようとする気持ちないのか?」米州からの質問には適当に答えておきました。