弱り泣く紋白蝶を見掛けたり 埃被った紋灰蝶を
紫陽花が慎ましやかに可愛くも 可憐に咲いた薄晴れの朝
窓開けて爽やかな風胸に吸う 今は不要の冷房機哉
50代のある日気がついた。目に映るものはどれも故郷を重ねて見ていたことに。
そう思うと途端に心が軽くなり、何ものにも縛られない自由な歌が生まれてきた。
たとえ暮らす土地が東京から中国・無錫へと移り変わり、刻々と過ぎゆく時間に日々追い立てられたとしても、温かい友人と美しい自然への憧憬の気持ちを自由に歌うことは少しも変わらない。
6年間毎日感謝の念を捧げながら、詠み続けた心のスケッチ集を連載でお届けします。
弱り泣く紋白蝶を見掛けたり 埃被った紋灰蝶を
紫陽花が慎ましやかに可愛くも 可憐に咲いた薄晴れの朝
窓開けて爽やかな風胸に吸う 今は不要の冷房機哉