俳句・短歌 四季 2021.12.09 歌集「漣の夢」より3首 歌集 漣の夢 【第83回】 上條 草雨 中国江蘇省・無錫に留学し、その地の美麗さに心奪われた著者が詠み続けた、珠玉の短歌二一〇〇首と三九首の漢語短歌を連載にてお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 菖蒲あやめ咲き夢に膨らむ学生を 暖かな風優しく包む 日本でも見て来た事の幸福の 蝙蝠こうもりの舞う夕闇下 さがり宵闇よいやみに月と金星照らし合い 輝き冴さえる濃紺の空
小説 『訳アリな私でも、愛してくれますか』 【第29回】 十束 千鶴 「もうマジで、すげー萎えたよ。」彼氏に左胸がないことを打ち明けた翌日に…溢れ出る涙。期待した私が悪かったんだ… 【前回の記事を読む】「私、実は左側の胸がないの」——この人なら私を受け入れてくれる、そう思い打ち明けたが「は……?」「マジかよ……」「ごめんね、今まで打ち明けられなくて……でも、大輝とそういうことをする前に、伝えておかなきゃって思ったの」大輝の様子を伺う。言葉を選んでいるのが伝わってくる。「……まぁ、じゃあ……今日はやめとく?」「え……」(やめてほしいっていうわけじゃないんだけど……)ただ、理解…
小説 『小窓の王[注目連載ピックアップ]』 【第14回】 原 岳 「は?」――厳冬期の劔岳、先行パーティーはワカンすら持っていなかった。さらに「ルートがわからない」と若者は言い出し…… 【前回の記事を読む】【厳冬期 劔岳・小窓尾根】「マイナス40度は結構やばい」さらに、明日は悪天候——気象予報をラジオで聞くと…川田もザックを下ろしながら「こんにちは」と挨拶を返した。「どこからこられましたか」と訊かれたので、一,四〇〇メートルの肩からですと答えた。「そちらは、一,六〇〇メートルピークからですか」と、川田が聞いた。「ええ、寝坊してしまってね。ラッセルもきつかったからなかなか進みませ…