俳句・短歌 四季 2021.12.09 歌集「漣の夢」より3首 歌集 漣の夢 【第83回】 上條 草雨 中国江蘇省・無錫に留学し、その地の美麗さに心奪われた著者が詠み続けた、珠玉の短歌二一〇〇首と三九首の漢語短歌を連載にてお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 菖蒲あやめ咲き夢に膨らむ学生を 暖かな風優しく包む 日本でも見て来た事の幸福の 蝙蝠こうもりの舞う夕闇下 さがり宵闇よいやみに月と金星照らし合い 輝き冴さえる濃紺の空
小説 『あら、50歳独身いいかも!』 【第3回】 武 きき 帰ろうとすると「ダメだ。もう僕の物だ」――キスで唇をふさがれ終電にも間に合わずそのまま… 【前回の記事を読む】10歳年下の彼から突然の告白。戸惑いつつも相手を試すように口にした「私を○○○みる?」その言葉とは…はぁ~とため息が出る。久しぶりに男の匂い。ゆっくりベッドを出て、シャワーへ。「涼真君、私帰るね。終電に間に合うから」「ダメだ! 帰らないで。泊まって!」「何言っているの! 着替えも無いし。帰る……」ベッドに引っ張られ涼真君の腕の中。「ダメ。明日休みだから買い物行って、映画も見よ…
小説 『テラスの旅路Ⅰ』 【第15回】 響乃 みやこ 黒猫を全力で追いかけていると、明らかに人為的に作られた川や橋、そして巨大な建造物が出てきた。猫はそこで立ち止まり… 【前回記事を読む】「…もしお前が死んだら、どうすんだよ」「その時は呪っていいよ」「呪うって…」ログは呆れ顔で私を見る。そして二人はともに…ティーナとログは、慌てて猫に追いつこうと全力疾走をした。しかし人間の全速力が猫の全速力にかなうわけもなく、猫がストップした時にはお互いに倒れそうになり、足が生まれたての小鹿のようにプルプルと震えていた。「にゃぁ、にゃー」今にも倒れそうになっているログと、もうす…