エッセイ 『えつの大きなひとりごと。』 【第3回】 えつ 下校中、突然ぬかるんだ田んぼに突き落とされた……さっきまで笑顔で「一緒に帰ろ!」と言ってくれた彼女が、同じ人物とは思えず…… 【前回の記事を読む】おばあちゃんは、お化粧をして眠ったように綺麗だった。足袋を履かせる時、冷たくて重くて、硬くてまるで大きな人形みたいで…白いラインの入った黒のセーラー服の袖に腕を通して、結んだ白いリボンが胸元にふわりと揺れる。中学校は二つの小学校が合わさって7クラスもあったんだ。もちろん知った顔もあるけど、同じ制服に身を包んだ半数は知らない人。校則もありルールも増えたけど、私の世界はぐんと広が…
小説 『八事の町にもやさしい雪は降るのだ[人気連載ピックアップ]』 【第5回】 宮野入 羅針 「お前が真面目すぎるのは女を知らないからだ」…誘いを断った僕に、彼は笑いながら“ある女”を召喚すると言い出し…… 【前回の記事を読む】幼馴染の父の遺体は、朝まで雪に埋もれていた…寺の長い石段から足を滑らせた事故死だと、誰もが信じていたが、僕だけは……学生運動が終焉し、学生街をノンポリと呼ばれる若者たちが席巻する。この時代に「三無主義」という言葉が流行った。無気力、無関心、無感動。すべてを否定的に捉える虚無主義とも違う、否定するエネルギーさえも持ち合わせない、いわゆるしらけ世代と呼ばれた若者たちだ。青年期の僕…