小説 『愛され未亡人の、湯けむり恋物語』 【第23回】 月川 みのり 抱き上げられて寝室へ…彼は「泣かないで」と言いながらも、激しく求めてきて…指先で触れられるたび涙が止まらない。 【前回記事を読む】「最近、息子の様子がおかしい」と私に打ち明けた義母…迷ったが全て話すことにした。夫とあの女性の話や、私たちの事情を正直に…「ずっと黙っていてごめんなさい」帳場の机を挟んで、よし子は雅彦と向き合っていた。「私、怖かったんです。あなたに嫌われるのが。しつこいと思われるのが。だから距離を置いた。でも、それは間違いでした」雅彦は無言でよし子を見ていた。帳簿の上に置かれた両手が、微かに震…
小説 『昭和に生きた一匹の龍』 【第2回】 大原 正裕 腕を引くと、黙ってついてきた…個室トイレの鍵をかけた瞬間、理性は消えて――“余韻”の中で唇を重ねると、彼女の目には涙が浮かんでいて…… 【前回の記事を読む】1980年代、歌舞伎町。ディスコでは男たちが、激しく踊りに熱狂しながらも、獣を狩るハンターのごとく女を物色していたその後もナンパが成立しないので、正春達は一旦(いったん)シートに戻りブレークタイムにした。正春は愛好する何時(いつ)ものタバコ、セブンスターに火を付ける。「今日は収穫ナシですねえ」不満顔で良が言うと、清次も「おうしょぼいな」と返す。「そんなに焦(あせ)ることはない…