俳句・短歌 介護 母娘 短歌 2022.01.13 「最後まで人」より3首 最後まで人 介護ひとり百十一首 【最終回】 詠み人しらず 登り坂もしもし亀に抜かれても 二人三脚行けるとこまで 母との日々を五・七・五・七・七の音に乗せて綴った、切なくも心温まる短歌集。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ ちぐはぐな会話でいいからもう一度 交わしてみたい初七日の夜 明日もまた できることを一つずつ できないことは来世に託そう 登り坂ついに峠にたどり着き 戸惑う下り いっそ駆けるか
エッセイ 『ALSなんか怖くない』 【第31回】 堀内 昌子 筋力が加速的に降下するALS。「今さらリハビリなんて」と思われるかも…それでも、一日に半歩でも筋力退化を遅らせようと必死で… 在宅でのリハビリの先生方も、筋力低下の食い止め、尖足(足の関節が、つま先が伸びた状態で固まり、立ち上がったり歩いたりする際に、踵がつかない)防止の筋力維持その他呼吸器装着のALS患者に対してのリハビリをそれぞれ計画を立て、長いスパンで治療を考えておられましたので、それが継続されることに安心をいたしました。筋力は、加速的に降下の一途を辿るALS患者にとって「今さらリハビリなんて」と思われる方もおら…
小説 『青の中へ』 【第10回】 くんぷう 躁鬱のような母の面倒を見る毎日。大変な日々の中でも身につけたある術とは… 【前回の記事を読む】「ああ、モルヒネの影響かもしれませんね」え?そんな話は聞いてない――どんどん痩せていく父。たまに妙なことも言うようになり…紫衣のスーツケースの中にメモ用紙が入れられていた。紫衣へ僕の名前は南部真亜です。君が許すことができないという人、きっとそれは僕の父親です。僕は君と君のお父さんになんて言って謝ればいいかわからない。僕の愛した人が僕の親のせいで深い悲しみの中にいる。なんて言っ…