俳句・短歌 介護 母娘 短歌 2022.01.13 「最後まで人」より3首 最後まで人 介護ひとり百十一首 【最終回】 詠み人しらず 登り坂もしもし亀に抜かれても 二人三脚行けるとこまで 母との日々を五・七・五・七・七の音に乗せて綴った、切なくも心温まる短歌集。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ ちぐはぐな会話でいいからもう一度 交わしてみたい初七日の夜 明日もまた できることを一つずつ できないことは来世に託そう 登り坂ついに峠にたどり着き 戸惑う下り いっそ駆けるか
エッセイ 『ボクは、笑顔でできている ~多くの人に支えられて、白血病と闘うことができました~[注目連載ピックアップ]』 【第2回】 向井 健一郎 「病名は急性リンパ性白血病です」"急性リンパ性白血病"は約10万人に1人の確率で発症する。なぜ私が、と妻と二人で泣いた。 翌日の朝に、もう一度血液検査とエコー検査などを行いました。消化器内科の医師からは、「肝臓や脾臓は少し腫れているが、これが痛みの原因とは考えにくいです。最初のCTスキャンの画像を見ると、リンパ腺がいくつか腫れているところが見られたので、午後からは血液内科で診てもらいましょう」という話がなされました。私は「血液内科」とは初めて聞く名前だったので、これは何の病気だろうと思っていました。午後、病室が血液…
小説 『指切り宗佐 愛恋譚 』 【第4回】 星河 三郎 四日目の晩、惹かれ合う二人はついに――「明晩もきっと参ると約束してくれるか?」「何があろうと、必ず参ります」 【前回の記事を読む】「明晩もまた、いらしてくださるか?」夜毎の笛を心待ちになさる姫とは、心の符号さえ感じる。しかし何ぞ忍び泣くことのあろう…ただ一つの彼の心懸かりは、笛を吹き重ね、親しく語り合えば合うほどに繁くなって行く姫の忍び泣きでした。自分にとってはこれほど心楽しい時はないと思われるのに、また姫の語りぶりからもみずみずしい喜びの気持ちが伝わってくるように思われるのに、なぜ姫が泣くのか、宗佐に…