俳句・短歌 介護 母娘 短歌 2022.01.06 「最後まで人」より3首 最後まで人 介護ひとり百十一首 【第13回】 詠み人しらず 登り坂もしもし亀に抜かれても 二人三脚行けるとこまで 母との日々を五・七・五・七・七の音に乗せて綴った、切なくも心温まる短歌集。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 命の川流れ流れてたどりつく 老いのほとりに寄り添い向き合う 並んで撮る ぎこちない笑み引きつって それでも笑った自分をほめる 並んで撮る 母のほほ笑み柔らかく 逝くひと送るひと沁みる一枚
小説 『「本当の自分」殺人事件[注目連載ピックアップ]』 【第10回】 水木 三甫 ホテルの入口、ためらいは一瞬で、後はただ身を任せていれば良かった。夫と同じことをしているだけだ。 【前回の記事を読む】硬直する体に構わず、若い桃のような頬に唇を当てる。首筋からさらに下へ、新鮮な匂い。しがみついていた彼女の腕の力は抜け…光彦から急な出張が入って帰れないという連絡が入った。淳美は光彦があかねと会うことを確信した。光彦のために自分は尽くしてきたつもりだ。それを裏切ったのは光彦だ。あかねの存在も淳美にとっては大きなストレスになっていた。いつもあかねに操られている自分にうんざりしてい…
小説 『愛[注目連載ピックアップ]』 【第3回】 高見 純代 「人間しか自殺はしないわ。犬や猫は自殺しないもの。自殺って、人間を知るヒントになると思うわ」 【前回の記事を読む】あの人が死んだ! 私は体がガクガクとふるえだした。送られてきた包みの中身は分かっていた。だが、恐くてあけられず…「自己紹介が遅れて、すみません。僕は元BBCの記者で、今はフリーのジャーナリストで、CNNと契約しています。名前は神矢敬。四十五歳だけど、独身です。名刺をお渡しするから、気が向いたら電話でも下さい。とにかく、平日のお昼はいつもここに来てるんですね? じゃぁ、ちょくち…