俳句・短歌 介護 母娘 短歌 2022.01.06 「最後まで人」より3首 最後まで人 介護ひとり百十一首 【第13回】 詠み人しらず 登り坂もしもし亀に抜かれても 二人三脚行けるとこまで 母との日々を五・七・五・七・七の音に乗せて綴った、切なくも心温まる短歌集。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 命の川流れ流れてたどりつく 老いのほとりに寄り添い向き合う 並んで撮る ぎこちない笑み引きつって それでも笑った自分をほめる 並んで撮る 母のほほ笑み柔らかく 逝くひと送るひと沁みる一枚
小説 『大阪弁で読む『変身』[注目連載ピックアップ]』 【第2回】 作者/フランツ・カフカ 翻訳者/西田 岳峰 【カフカの名作を大阪弁で!?】「グレゴール!まだ家におったんかいな。 どないしてん?」名前を呼ばれて答える自分の声にギョッ!? それに列車に追いついたところで社長の大目玉は避けられん。なんせ使用人が五時の列車に合わせて待っとってグレゴールの遅刻をとうにチクっとるわけやから。こいつは社長のお気に入りやった、性根も頭もないくせに。それか、病気や言うたらどないか? いやいやこれほどカッコ悪うて怪しい言いわけもなかろう、グレゴールは五年勤める間病気になったためしがない。社長が健康保険組合の医者を連れて来て、両親をグータラ息子のこ…
小説 『大阪弁で読む『変身』[注目連載ピックアップ]』 【第5回】 作者/フランツ・カフカ 翻訳者/西田 岳峰 【大阪弁で「変身」】ほんまにどないしてん? 部屋に立てこもって返事いうたらハイかイイエだけ、ご両親にはいらん心配をおかけして―と責め立てられ しかしそれは差し当たり杞憂というもんや。グレゴールはまだここにおるし家族を見捨てる気なんぞさらさらない。グレゴールは今げんにじゅうたんの上におるわけで、グレゴールのおかれた状況を分かっておれば本気で支配人を中にお通しせえとは誰も言うまい。こんなささいな非礼は後からどないとでも言いわけできそうなもんやし、これですぐさまグレゴールがクビになるってもんでもない。グレゴールからしたら、泣くわ諭すわで邪魔…