俳句・短歌 介護 母娘 短歌 2021.12.30 「最後まで人」より3首 最後まで人 介護ひとり百十一首 【第12回】 詠み人しらず 登り坂もしもし亀に抜かれても 二人三脚行けるとこまで 母との日々を五・七・五・七・七の音に乗せて綴った、切なくも心温まる短歌集。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 寝たきりで八十路やそじをまえに懲りもなく 十とおはサバ読む乙女の心 数々の病のはてにガン宣告 闘士の母が選ぶ緩和ケア 四ヶ月待って希望の病院へ 窓の外には落ち葉散る庭
小説 『アントライユ』 【第3回】 鈴木 恋奈 彼の父親と私の母が不倫。親族双方殴り合いの大事件になった。だが、彼の母親は「慰謝料は要らないから」とだけ言って姿を消し… 【前回の記事を読む】彼にピアスが増えたら、私は自分の耳にも印をつけて、ニードルを取り出す…「痛い痛い!」それでも彼とお揃いがよかった私たちは新潟県の外れにある小さな町で育った。私は、ボロボロのアパートで生まれた。母親の稼ぎが少なく、泣く泣く住んでいた。幼少期に千春がそのアパートの隣の部屋に引っ越してきたのだ。千春の母親の後ろに隠れる彼の光る涙は私の心を潤した。今でも鮮明に思い出せる。彼の目は女の…
小説 『店長はどこだ[注目連載ピックアップ]』 【第11回】 八十島 コト 亡き妻の、浮気相手を見つけたい。遺品となったデパートの包装紙を手掛かりに繁華街を歩く 【前回の記事を読む】誰かにだいぶ惚れていた亡き妻…浮気を疑い続ける夫はデパートの店長を探すその週の金曜日も、達郎は横浜のマンションに戻ってきた。誰もいない部屋に灯をつけた。リビングルームに入ると、酒を飲もうと、サイドボードを開けた。ところが、そこには酒が一本も置かれていなかった。仕方がないので、押し入れを開けた。そこには、もらい物の酒が封を切らずに、二、三本しまわれているはずだった。案の定、洋酒…