俳句・短歌 介護 母娘 短歌 2021.12.30 「最後まで人」より3首 最後まで人 介護ひとり百十一首 【第12回】 詠み人しらず 登り坂もしもし亀に抜かれても 二人三脚行けるとこまで 母との日々を五・七・五・七・七の音に乗せて綴った、切なくも心温まる短歌集。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 寝たきりで八十路やそじをまえに懲りもなく 十とおはサバ読む乙女の心 数々の病のはてにガン宣告 闘士の母が選ぶ緩和ケア 四ヶ月待って希望の病院へ 窓の外には落ち葉散る庭
小説 『不確かな真実』 【新連載】 和亭 正彦 都内のマンションの一室で無残な姿で発見された女性の遺体。捜査本部は容疑者と思われる人物の特定を急ぐが… 凄惨な事件であった。新年早々の一月八日、新宿を起点として東京、神奈川を貫く東神電鉄の西城公園駅にほど近い瀟洒なマンションの一室から女性の遺体が発見された。遺体には、鈍器で殴られたような後頭部の陥没と胸部に致命傷になったと思われる数カ所の刺し傷があったが、傷はそれだけではなかった。大きく切り裂かれた腹部からは、まるで腑分けをしたかのように内臓の一部が体外に引きずり出されており、皮膚がめくれ返った首…
小説 『海のように深く、大地のように温かい』 【第11回】 天馬 ときわ 高度経済成長で人手不足だった1950年代は中卒就職者が「金の卵」として引っ張りだこだった 【前回の記事を読む】継母はひどい奴や。実の子には贅沢に食べさせて、俺には「今日お米ないから、おまえ隣の家にお米借りにいってちょうだい」「俺の田舎は、人が死ぬと地元の集落の人たちで集まって自分たちで火葬したんや。田舎やからなぁ。センマイって名前の場所でなぁ、山の中に人間一人が入れるくらいの大きな穴が掘ってある広場なんや。木がうっそうと茂って昼間でも薄暗いところや。死んだ人を体操座りの恰好で小さく縄…