俳句・短歌 介護 母娘 短歌 2021.12.16 「最後まで人」より3首 最後まで人 介護ひとり百十一首 【第10回】 詠み人しらず 登り坂もしもし亀に抜かれても 二人三脚行けるとこまで 母との日々を五・七・五・七・七の音に乗せて綴った、切なくも心温まる短歌集。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 もしかして ついにその日がやってきた? 気になる親の微妙な言動 咲きそうで咲かぬ蕾に光あて 咲けと促す花咲かばあちゃん 好きなもの相撲 水戸様 よしもと イモちゃん どれが一番?答えはおいも
小説 『にゃん太郎の冒険物語』 【新連載】 作間 瓔子 僕をかわいがってくれたのは初めだけ。そのうち気のない挨拶をして、他の用事に移ってしまうようになった。 最近は猫ブームらしいが、僕らに癒やしを求める人間たちの何と多いことか。一口に猫と言っても、人間に人種があるのと同様、猫にも品種があるのだ。僕はおそらく『ボンベイ』という種類に属していると勝手に思っているけれど、本当はただの雑種なのかもしれない。自分で言うのも何だが、僕ほど賢い猫はそんなにいないと思う。鳴き声も頭も良いうえに、漆黒のツヤツヤとした毛並みと、スマートに引き締まった体。シュッとした尻尾…
小説 『高校生SM 』 【第7回】 大西 猛 先生への思いは大きく私の心を支配した。皮肉に満ちた笑顔、優しく包み込むような笑み。数分間話しただけで、いくつもの知らないあの人を見た。 「もしかして川北さんは洗礼でも受けてるの?」「いいえ、受けてません」「じゃあ、親戚とかに信者の人がいる?」「私の周りにそういう人はいません」「じゃあ、なんでキリスト教は寛容だって思うの?」「なんでって……、そう言われると答えづらいですけど、映画とかを観て、そういうイメージができたっていうか」「例えばどんな映画?」「先生が言ってた『ベン・ハー』とか『クオ・ヴァディス』とかです」「ああ、なるほどね」…