俳句・短歌 介護 母娘 短歌 2021.12.09 「最後まで人」より3首 最後まで人 介護ひとり百十一首 【第9回】 詠み人しらず 登り坂もしもし亀に抜かれても 二人三脚行けるとこまで 母との日々を五・七・五・七・七の音に乗せて綴った、切なくも心温まる短歌集。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 最後かも車椅子に母移し めざす艶あでやか薄紅桜 見上げれば花びら乱舞たまゆらの 春風染めるももいろの空 うたかたの桜吹雪に包まれて 親子でまとう薄紅ごろも
小説 『サトゥルヌス[注目連載ピックアップ]』 【最終回】 花田 由美子 「死んだ妹は、息子さんの子を宿していました」遮断機の下、妊婦が倒れていたことに誰も気がつかず、母子ともにそのまま… 【前回の記事を読む】海外出張から帰国した父と、1年ぶりに再会…父には現地の女性との間に子供ができた疑惑があり…二〇一〇年 悌「こんにちは、あの、加藤さんですね、私は孝一さんの友人の鈴木タカコの兄、鈴木ヤスシと申します」高齢女性にしては背の高いシルエットが目的の人だと確信した。玄関わきに咲き誇る紫のシャクヤクのように真っすぐな背筋をしている。自分に目を上げるその顔の、シワの深さもシミの多さも、彼女…
小説 『縁 或る武家のものがたり』 【最終回】 伊藤 真康 「全て成し遂げられた。もはや思い残すことは何もない」宿願を叶えた老武将。この直後に運命が変わるとも知らず…… 【前回の記事を読む】政宗から「中将」と呼ばれるようになった阿古。彼女がこれまで積み上げてきた豊かな教養を伊達家の誰もが必要としていた「備中守様、器が大きく慈悲深い方ではあったが、やはり、御自身と御身内には殊のほか厳しいお方でもあった……」信氏は、かつての文のやり取りで、小十郎には苦言を呈してばかりだった景綱を思い出した。信氏二つ目の目標、豊臣家への仇討ちは、豊臣宗家の滅亡という形で本懐を遂げたこ…