俳句・短歌 介護 母娘 短歌 2021.11.18 「最後まで人」より3首 最後まで人 介護ひとり百十一首 【第6回】 詠み人しらず 登り坂もしもし亀に抜かれても 二人三脚行けるとこまで 母との日々を五・七・五・七・七の音に乗せて綴った、切なくも心温まる短歌集。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 指がない!杖か装具か車椅子? 心配よそに母立ち上がる 杖持たず階段のぼりきる背中 還暦まえの我が家の奇跡 温泉で足見て驚く人のまえ しばし演じる悲劇のヒロイン
小説 『「本当の自分」殺人事件[注目連載ピックアップ]』 【第9回】 水木 三甫 硬直する体に構わず、若い桃のような頬に唇を当てる。首筋からさらに下へ、新鮮な匂い。しがみついていた力は抜け… 【前回の記事を読む】「好きな店でいいよ」と絶対に言わない。行く店は決めてくれるし、選ぶ店のセンスもいい。浮き彫りになる、夫の物足りなさ。高校を卒業すると、希代美はすぐに故郷を捨てた。都内の小さな問屋にどうにか事務職を得た。希代美は一生懸命働いた。会社とアパートを行き来するだけの生活。とにかくお金を貯めたかった。一人で生きていくためにはお金を貯めなければいけないという強迫観念があった。預金通帳の残…
小説 『白い陥落~看護学生あずみの事件簿 2~』 【第10回】 叶浦 みのり 「さっき、お兄ちゃんが病院に運ばれたの」カッターを振り回し、自殺すると叫ぶ会社の秘書女に切りつけられ… 【前回の記事を読む】母親に内緒の傷害事件、これは一大事だ……。 家に戻ると真琴が車で訪ねて来ていた。隣には広田と名乗る小柄で綺麗な女性が――「朝もお兄さんのことで大変だって言っていたよね?」あずみはうなずいた。「うん……。それが……ついさっき、お兄ちゃんが病院に運ばれたの」「病院に?」もっと驚かないと不自然だったかな、と思いながらもあずみは尋ねた。「それは……病気か何かで……?」「いや。それが……