俳句・短歌 四季 2021.11.18 歌集「漣の夢」より3首 歌集 漣の夢 【第80回】 上條 草雨 中国江蘇省・無錫に留学し、その地の美麗さに心奪われた著者が詠み続けた、珠玉の短歌二一〇〇首と三九首の漢語短歌を連載にてお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 春光しゅんこうを浴びて街路の木々の葉が 露つゆ有るように萌えて輝やく 緑中りょくちゅう紅葉映える鮮やかさ 紅一点に凝視ぎょうしの目行く 朝空に野鳥一羽の飛翔見る 人より先の無重力哉
小説 『あら、50歳独身いいかも!』 【第3回】 武 きき 帰ろうとすると「ダメだ。もう僕の物だ」――キスで唇をふさがれ終電にも間に合わずそのまま… 【前回の記事を読む】10歳年下の彼から突然の告白。戸惑いつつも相手を試すように口にした「私を○○○みる?」その言葉とは…はぁ~とため息が出る。久しぶりに男の匂い。ゆっくりベッドを出て、シャワーへ。「涼真君、私帰るね。終電に間に合うから」「ダメだ! 帰らないで。泊まって!」「何言っているの! 着替えも無いし。帰る……」ベッドに引っ張られ涼真君の腕の中。「ダメ。明日休みだから買い物行って、映画も見よ…
小説 『冬隣』 【第3回】 順菜 あくまで友達感覚なんだ、あまりのぼせてはいけない――でも、今日一日だけ楽しもう。あと数時間だけ、彼の連れは私だ 【前回記事を読む】彼はやはり隣の部屋だった。つい昨夜、あの愛し合う声がした部屋…なぜ私はそんな男からの誘いを断らなかったのだろう「ここに行く?」ガイドブックを手に、二人はノリ良く観光に周った。男性とデートするのは何年振りだろうか。いや、デートではないが。海岸らしくシーフードをたらふく食べると、二人はお土産を見に移動した。彼は会社に買って行くと言った。紫は近々会う友人と、一応実家の家族に郵送しよう…