ブラブラ歩くことも学習だ!

私は語学力アップの選択肢として、英国に渡ることを選びました。日本人も数えるほどしかいなかったので、現地での学習スタイルは、ほぼフルイマージョンに近い形の学習になり、語学学校やホームステイ先でホストファミリーとひたすら英語を使う毎日でした。

ただ、学習の成果が形になるまでには10か月ほどかかりました。語学学校ではケンブリッジ英検の受験を通して語学力の底上げに努めていたのですが、2回連続でFCE(英検だと準1級レベル)に落ちたのはさすがに堪えました。基礎が全然できてなかったんですよね。

さすがに何も資格を得ないまま日本に帰るわけにはいかなかったので、危機感を覚えながらもコツコツと頑張り、ロンドン商工会議所のビジネス英検レベル2とレベル3に合格してから、ようやく自身でもブレイクスルーを実感することができました。

英国では、大学院での勉強に加え、街歩きも活用しました。鉄道の趣味を英語学習に取り入れたわけです。趣味と学習を両立するちょっとした反則技になりますが、特にロンドン市内の主要駅やバーミンガム近郊の駅などには頻繁に出向きました。

ロンドン市内にはキングズクロス(ハリー・ポッターで出てきたホームで有名)やセント・パンクラス(ユーロスターの発着駅)など主要なターミナル駅が10以上あり、その全てのターミナル駅に行って鉄道の乗り潰しと並行してリスニングを鍛えていました。特に駅でのアナウンスは生きた教材として重宝しました。

ターミナル駅でのリスニングは、主に自動放送や駅員さんのアナウンス、インターシティの出発案内などを聞き、よく使う単語やフレーズなどを覚えていきました。また、時刻表とにらめっこしながら行先や発車時刻、停車駅、インターシティなのか近郊列車なのか、実際の車両もホームに行って見ながら感覚も体で掴んでいきました。時には遅延や到着及び発着ホームの変更、運休などの情報も聞き取らなければならず、実践的な場所でもありましたね。

また、繰り返し足を運んで聞くことでアメリカ英語との違いも考えながら勉強したことも後々役に立ちました。

これだけでなく、並行して目を通していたものがあります。それは、駅に置いてあるリーフレットやパンフレット、時刻表で、これが生きた教材になるのです。というのも、英国だけでなくEU各国では週末に大規模な保線工事(engineering work)が行われることが多く、ときにはストライキに遭遇することもあったからです。即ち、工事期間中やストライキ発生時の臨時ダイヤを読んで旅程を組み立てるノウハウが必要だったわけです。

このノウハウを知っておくと、海外旅行でお得に旅することができたりします。私の場合は、地下鉄(ピカデリー線)が工事で運休のときに、地下鉄の1日乗車券を使ってヒースローエクスプレスに特例で乗れたことがありました。

英国は全体的に鉄道料金が高く、特にヒースローエクスプレスは世界一高い空港特急の一つとして知られています。ヒースロー空港からロンドンの西の拠点パディントン駅までは約24kmしかありません。所要時間はたった15分なのに運賃は£22(日本円で約3300円。ただし、事前予約をすれば£5.5と日本円で約825円ほどになります)と成田エクスプレスの成田空港〜新宿・池袋までの値段とほぼ同じぐらいなのです。

他にも、トーマスクックのヨーロッパ時刻表や、バスのルート表及び時刻表、トラムの時刻表など地下鉄を含め乗り物関連の冊子は必需品でした。