背の形にくぼめる布団に伏せりつヽ 湯浴みののちの息しづめをり

 
 

香焚きて曇るみ堂の静けさに 亡き人の命しみじみ憶ふ

 
 

病み弱りし我は生きのび健やかなりし 妹のみ魂まつるが悲し

※本記事は、2021年5月刊行の書籍『短歌集 蒼龍の如く』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。