俳句・短歌 四季 2021.11.04 歌集「漣の夢」より3首 歌集 漣の夢 【第78回】 上條 草雨 中国江蘇省・無錫に留学し、その地の美麗さに心奪われた著者が詠み続けた、珠玉の短歌二一〇〇首と三九首の漢語短歌を連載にてお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 湖(みずうみ)の水面(みなも)沈静我が心 そう有れかしとそっと見つめる 娘達上着(うわぎ)を脱いで美しく 天女(てんにょ)の様に夕焼けに舞う 図書館の展望台を霧包み 愛の行き交う無錫眺望(ちょうぼう)
小説 『夢を叶えた、バツイチ香子と最強の恋男』 【第5回】 武 きき 「私、初めてです。こんなに気持ちがいいって…」――彼の顔を見るのが恥ずかしい。顔が赤くなっているのが自分でも分かった 【前回の記事を読む】「綺麗だ」バスタオルが落ち、丸裸になった私を彼は抱きしめた。「抱いていいかい?」手を引かれ、そのまま寝室へ行き…朝、いつものように、席に着いた。「どうした? 香子、妙に静かだな」顔が、赤くなっているのが、自分でも分かった。「だって、昨日、あんな事、こんな事、そんな事、したから、丈哉さんの顔を見るのが恥ずかしい! 丈哉さん変態なのかなと思ったんです」丈哉さん、コーヒーを吹き出し…
小説 『愛と慟哭の果て』 【新連載】 和泉 順 死にかけた男が奇跡の回復…しかしその体に宿っていたのは宇宙からの逃亡者だった パンデミックが起こる数年前、人々が自由に集い、語らい合っていた頃の、三月中旬から物語は始まる。鳥飼信一は朝から気分がすぐれなかった。動悸がして少し吐き気もした。支店内の月例ミーティングが終わったら医者に行こうと思った。鳥飼は三陽銀行川崎支店の支店長で、三陽銀行は国内の預金量ランキング二位の都市銀行だ。鳥飼は横浜市郊外の戸塚駅から徒歩五分のマンションに住んでいる。三月になったがお彼岸前はまだ肌寒く…