俳句・短歌 四季 2021.11.04 歌集「漣の夢」より3首 歌集 漣の夢 【第78回】 上條 草雨 中国江蘇省・無錫に留学し、その地の美麗さに心奪われた著者が詠み続けた、珠玉の短歌二一〇〇首と三九首の漢語短歌を連載にてお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 湖(みずうみ)の水面(みなも)沈静我が心 そう有れかしとそっと見つめる 娘達上着(うわぎ)を脱いで美しく 天女(てんにょ)の様に夕焼けに舞う 図書館の展望台を霧包み 愛の行き交う無錫眺望(ちょうぼう)
小説 『火点し時』 【第8回】 順菜 隣の部屋の男から誘われた。つい昨夜、別の女性と愛し合う“あの声”が聞こえたのに、今度は私? 不審には思ったが… 【前回記事を読む】隣の部屋から声がした。男女の、抑揚ある溜め息まじりの…すぐに“あの声”だと分かった。つい聴き入っていると…「食欲ありますね?」紫の前の皿はこんもりとしている。しかし去っていった彼女の皿はちんまりしたもので、後ろ姿も確かに細かった。ちょっと恥ずかしかったが、「人生の楽しみですから……」「もちろんそうですよ。たくさん食べる人、いいですよね」紫の中で危険信号がちらついた。たった今、彼…
小説 『ホームランとフォーマルハウト』 【第8回】 福原 道人 友達すらいたことがない私。ある日、トラブルをきっかけに「夜、望遠鏡を覗きに来ない?」と、男性からお誘いを受けて…… 【前回の記事を読む】立派な庭の真ん中に、景観を壊すほど大きな望遠鏡……すべては可愛い孫のためだったが、彼は一度も使うことなく旅立ってしまい……「ベテルギウスみたいな話じゃないよ。もっと身近なことだ」こちらの心を読んだように水口さんは言った。身近と言われても困る。なんとかギウスがどういうものかさえわたしにはわからない。その疑問を解いたのは、ジャイアンツの少年だった。「僕知ってる。ベテルギウスはオリ…