俳句・短歌 句集 2021.10.06 句集「八ヶ岳南麓」より三句 句集 八ヶ岳南麓 【第31回】 浅川 健一 八ヶ岳の麓で暮らす医師の、四季折々の俳句集 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 夏川の荒けずりなる県境 麥秋やすぐ空つぽの通校路 真葛原より満水の用水路
小説 『火点し時』 【第8回】 順菜 隣の部屋の男から誘われた。つい昨夜、別の女性と愛し合う“あの声”が聞こえたのに、今度は私? 不審には思ったが… 【前回記事を読む】隣の部屋から声がした。男女の、抑揚ある溜め息まじりの…すぐに“あの声”だと分かった。つい聴き入っていると…「食欲ありますね?」紫の前の皿はこんもりとしている。しかし去っていった彼女の皿はちんまりしたもので、後ろ姿も確かに細かった。ちょっと恥ずかしかったが、「人生の楽しみですから……」「もちろんそうですよ。たくさん食べる人、いいですよね」紫の中で危険信号がちらついた。たった今、彼…
小説 『差出人は知れず』 【第31回】 黒瀬 裕貴 全身酷い火傷を負ったのに、顔だけ綺麗なままの理由…火があがる孫娘の部屋に駆け込んだ祖父。“顔だけでも”守り抜き、そして… 【前回記事を読む】私には耐えられない。死んだほうが楽かもしれない…火事で家族を失い天涯孤独。そのうえ体の広範囲が焼けただれ、ケロイド状になった肌……「気にしないでください。初対面の方から可哀想だと思われるのはもう仕方のないことだと割り切っていますから。私だって昔は何度も泣き叫びましたしね」「若菜さんでも?」「えぇ。どうしてこんな目に遭わなければいけないのか。おじいちゃんもおばあちゃんも死んじゃっ…