俳句・短歌 句集 2021.10.13 句集「八ヶ岳南麓」より三句 句集 八ヶ岳南麓 【第32回】 浅川 健一 八ヶ岳の麓で暮らす医師の、四季折々の俳句集 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 コスモスや音して起こる牧の風 牧場の杭あたらしき秋桜 つかのまの日向に駅舎柿の秋
エッセイ 『良子という女[注目連載ピックアップ]』 【第7回】 野村 よし 「あなた、私は幸せでした」…妻は状況を直感していたのだ。私は言葉を返すことができず、妻から離れた。 【前回の記事を読む】「お母さんが嘔吐を繰り返してる。いま救急車出発した」娘からのメール。私は結婚式の帰りの新幹線の中で、酒を呑んだし、雨だし…私の心臓は躍りだした。先生はAという御自分の名札を見せた。若い先生だった。A先生は低い声でゆっくりと話した。それが私の耳には聞き取りにくかったが、要は、「腸閉塞は確実にあります」「問題は腸閉塞が何を原因として起こっているか、です」「一番考えられるのは“大腸…
小説 『顕治とチピタ』 【第3回】 菊池 亮 飛行機で隣だった若い女性に「遊びの名刺」を渡した。私みたいな高齢者にも親しみを感じてくれたことが嬉しかった。 【前回記事を読む】隣をちらっと見ると若い美人な女性だった。高齢になっても、若い女性にはときめいてしまう。「こんにちは」と声をかけると…着陸時に墜落の事故が多いと顕治の脳裏に浮かんだが、今回は何故か不安を感じなかった。機内での異常な一夜と、たまたま隣り合わせた若い女性の存在がそう思わせたような気がした。その女性との別れも近づいてきた。この後乗り継ぎだが、もう一緒に近くにいることはないだろう。ほんの…