文学館の建物の周りには、小道が作ってあってお庭の続きから1周できました。小道の向こうは西川の流れ、静かで、いい感じでした。「来月からは薄田泣菫(すすきだきゅうきん)の展覧会があるのでその準備で忙しい」とのこと。
夫が、泣菫の次女に当たる人に英語を教わったのと、倉敷市連島の生家が先ごろ市に買い取られ保存されることになったということで親しみがありますので、興味深く思いました。
泣菫が大阪の毎日新聞社に編集者として勤めているころ、芥川龍之介、谷崎潤一郎たちからもらった書簡を、お孫さんが持っていたとのことで、その巻紙に毛筆で書いた書簡を額に入れているところでした。
思いがけず芥川の自筆の手紙を拝見しました。昔の手紙は皆さん達筆で毛筆ですから、額に入れても映えます。
これがメールの時代になると……無理でしょうね。
それにしてもさすが館長さん、達筆の手紙をすらすらと読み下されていました。
文学館を辞去して、お食事に倉敷にもある「キャナリィ・ロウ」へ。建物の前庭も、ドアの取っ手も、内部のインテリアも、店員さんの服装も、メニューも一緒。これではせっかく岡山に来て食べる意味がなさそう……ピザとサラダバーとドリンクバーで1380円のセット。
それから、文学づいて、後楽園の川向こうにある竹久夢二郷土美術館へ向かいました。
旭川のほとりに、後楽園の対岸にあります。ここは昔「西大寺鉄道」の後楽園駅があった跡地に建てられたものです。手前が駐車場で、15台くらい置けるでしょう。竹久夢二といえば、おばあちゃんの年代のアイドル、だから年配女性が多いかな、と思ったら、なんと、若い人が大勢いました。
「2時から絵を基にしたクイズなどのワークショップがありますからいかがですか」との呼びかけに応えて、5、6人が参加しました。
10枚くらいの夢二の絵の中の1枚を1人が選び、○×式問題を残りの人が3回出し、その絵を絞り込むというゲーム。確率の問題かもしれません。
私が一番楽しんだようでした。
実はこの日の新聞の地方版に、喫茶コーナーができたこと、名物のお菓子ができたと報じていたのを読んでいて興味があったので食べてみました。
夢二がお客をもてなすのによく好んで出していたガリバルジというお菓子を、源吉兆庵に頼んで再現してもらったというもの。和菓子屋さんに洋菓子を頼み、しかも生産ラインがあるわけでなく手作りなので、数が作れないそうです。
思ったより小さくて、ラム酒に漬けたレーズンがはさんであるビスケットという感じのお菓子です。紅茶とセットで300円。カウンターの中のシニア女性がとても感じよかったです。