俳句・短歌 句集 2021.07.07 句集「八ヶ岳南麓」より三句 句集 八ヶ岳南麓 【第18回】 浅川 健一 八ヶ岳の麓で暮らす医師の、四季折々の俳句集 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 小春日の町道帰る検診車 浸食のかぎりを見せて冬の川 休耕の一隅にして冬菜畑
小説 『大阪弁で読む『変身』[注目連載ピックアップ]』 【第2回】 作者/フランツ・カフカ 翻訳者/西田 岳峰 【カフカの名作を大阪弁で!?】「グレゴール!まだ家におったんかいな。 どないしてん?」名前を呼ばれて答える自分の声にギョッ!? それに列車に追いついたところで社長の大目玉は避けられん。なんせ使用人が五時の列車に合わせて待っとってグレゴールの遅刻をとうにチクっとるわけやから。こいつは社長のお気に入りやった、性根も頭もないくせに。それか、病気や言うたらどないか? いやいやこれほどカッコ悪うて怪しい言いわけもなかろう、グレゴールは五年勤める間病気になったためしがない。社長が健康保険組合の医者を連れて来て、両親をグータラ息子のこ…
小説 『大阪弁で読む『変身』[注目連載ピックアップ]』 【第6回】 作者/フランツ・カフカ 翻訳者/西田 岳峰 【大阪弁で「変身」】グレゴールはじりじりとドアに近づき──歯というもんはないらしく…そんなんでどうやって鍵をくわえたらええのやら? 最初は何べんかツルツルのタンスから滑り落ちたものの、ついに一回弾みをつけて体を起こした。体の下側が火でもついたように痛かったけどもはや気にもとめなんだ。手近な椅子の背もたれに倒れかかってそのふちに脚でしっかりしがみついた。そうやってグレゴールは我に返って口をつぐんだ。支配人の言葉が聞こえてきたからやった。「一言でも分かりましたか?」支配人が両親に尋ねた。「私らをおちょくっとんちゃいますやろな?」…