問題や課題の原因を分析する
さて、せっかく目標設定とアクションプランを考えてみたのだが、実は落とし穴がある。
先に説明した方が良いという考えもあるが、あえて最も重要な項目をここで持ち出すことにする。アクションプランが、課題や問題の原因に対して、有効な行動になるようにデザインされているかどうかである。もし十分に問題や課題の原因が特定できていない場合、本当にそのアクションを実行する意味があるのだろうか。ただ、やってみただけになってしまうリスクが高くなる。アクションが奏功しない可能性はできる限り小さくしておこう。
また、効果が期待できないアクションの優先度を上げるのもやめておこう。
原因分析の手法はいくつかあるが、まず問題や課題に対して「なぜ?」と問いかけて、ピラミッド式にどんどん答えを掘り下げていくトヨタ式の5Whyというものがある。
特別なスキルを必要としないからお勧めである。注意点は、「漏れなくダブりなく」である。 掘り下げの中で漏れがあり、そこに原因が含まれていたら意味がないので、ミッシーという手法(MECE: Mutually Exclusive Collectively Exhaustive)で、掘り下げを行う。
他にも論理的原因分析の手法は数多くあるが、わかりやすいので、トヨタ式から始めてみるのが良いと思う。もしメンバーや組織に問題解決の手法に精通した人材がいて、可能であれば手伝ってもらおう。とにかく原因を特定することはその後のアクションの効果に影響を及ぼすので、手を抜いてはいけない。もちろん課題や問題の原因を特定する以外にも使えることができる。例えば、目指す姿をイメージするときも、どうしてそこを目指す必要があるのかロジカルに考えることの手助けになる。漠然と良いことだろうというものは聞こえが良いが、本当に時間やリソースを使って目指すところを特定して、納得感のある目標を目指してほしい。