俳句・短歌 句集 2021.04.28 句集「八ヶ岳南麓」より三句 句集 八ヶ岳南麓 【第8回】 浅川 健一 八ヶ岳の麓で暮らす医師の、四季折々の俳句集 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 農道のホース水噴きトマト熟れ 原発に隣る湾なり法師蝉 刈り残す稲穂に雨の降る日かな
小説 『再愛なる聖槍[ミステリーの日ピックアップ]』 【新連載】 由野 寿和 クリスマスイヴ、5年前に別れた妻子と遊園地。娘にプレゼントを用意したが、冷め切った元妻から業務連絡のような電話が来て… かつてイエス・キリストは反逆者とされ、ゴルゴダの丘で磔はりつけにされた。その話には続きがある。公開処刑の直後、一人の処刑人が十字架にかけられた男が死んだか確かめるため、自らの持っていた槍で罪人の脇腹を刺した。その際イエス・キリストの血液が目に入り、処刑人の視力は回復したのだという。その槍は『聖(せい)槍(そう)』と呼ばれ、神の血に触れた聖(せい)遺物(いぶつ)として大きく讃えられた。奇跡の逸話(…
小説 『弔いの回想録』 【第5回】 松田 浩一 戦地帰りの男と割烹料理屋の店主が口論。ついには「この包丁で貴様を刺し殺さないと気が収まらない!」と、包丁を持ち出し… 昭和三十三年、私が幼い時に、居酒屋トラヤの親父がカーバイドランプを用意している時「おじさん何しているの?」と話しかけると、「ランプに燃料を入れているんだよ!」「石ころが燃料?」と尋ねると、「不思議だろう。この石に水滴が垂れると燃えるんだよ!」「へー、面白い!」トラヤの親父がランプの蓋を開けて、カーバイドをランプの容器の中に入れた。私は「変な臭いがする」トラヤの親父は「この石は、触ると臭いが手に移…