俳句・短歌 句集 2021.04.21 句集「八ヶ岳南麓」より三句 句集 八ヶ岳南麓 【第7回】 浅川 健一 八ヶ岳の麓で暮らす医師の、四季折々の俳句集 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 郭公や夜明け一気に八ヶ嶽 梅雨晴れや轍に放る草の株 整然と畦に草積む朝曇
小説 『義満と世阿弥』 【最終回】 貝塚 万里子 同い年の女人・加賀局。彼女は既婚者で子供もいたが義満は恋に落ち、子を作った。生まれた子は嫡子として扱われず、寺に預けられた。 【前回の記事を読む】足利義満は、世阿弥のために一人で戦い抜くことを決めた。南北朝を統一して、京都で「能」の公演を——加賀局は義満と同年齢、既に結婚して子供もいたが義満は忽ち恋に落ち、子をなした。一三八一年一月十一日に男子が生まれたが、嫡子とは扱われず、寺預かりとなった。一三八一年三月、義満は新築成った室町第に後円融天皇を招き、六日間に亘って接待した。「将軍の私邸への行幸」は前例が無く、公家達にと…
エッセイ 『振り子の指す方へ[注目連載ピックアップ]』 【第4回】 山口 ゆり子 夫の左足に刺さっていたのは、意外な物だった。それは新築祝いの靴ベラのスタンドで、血溜まりはすぐに結構な大きさになった。 【前回記事を読む】玄関で靴を履いていると、頭に衝撃が…振り返ると病気の妻がいて、等身大の抱き枕を手に襲いかかってきて…そんな思いが春彦の脳裏に揺れる眼前で、現実を突き付けるかのような郁子のその鬼の形相は、少しも崩れることはなかった。それどころか、それがその形相にも、その身にすらも納まりきらない感情だと言わんばかりに、全身をブルブルと震わせながら立っていた。四十度近い熱で寝込んでいた郁子のただなら…