俳句・短歌 句集 2021.04.14 句集「八ヶ岳南麓」より三句 句集 八ヶ岳南麓 【第6回】 浅川 健一 八ヶ岳の麓で暮らす医師の、四季折々の俳句集 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 降る雨の紫陽花あじさい浸すほどならず 大仰おおぎょうな風鈴売に道譲る 落款らっかんのごとく並べて余り苗
小説 『愛され未亡人の、湯けむり恋物語』 【新連載】 月川 みのり “ある条件”さえのめば、月給32万円のハロワ求人…娘に見せると震える声で「月に1度は必ず帰ってこれるんだよね?」と… 洗濯物を取り込みながら、栗原よし子はため息をついた。3月の風はまだ冷たい。ベランダから見える団地の桜は、まだ固い蕾のままだ。3年前、夫の正志が膵臓がんで逝ったあの春も、こんな風が吹いていた気がする。あれから季節は3度巡り、よし子は48歳になった。白髪が増えた。目尻の皺も深くなった。鏡を見るたびに、自分が老けていくのが分かる。それでも構わなかった。見てくれを気にする相手など、もういないのだから。テ…
小説 『あした会社がなくなっても』 【新連載】 桐生 稔 土曜の朝、電話に出ると「今すぐ本社に来い!!」上司の怒鳴り声に眠気が吹き飛ぶ。新聞を手にした瞬間、俺は立ちすくんだ 2007年12月21日(金)。六本木の賑やかなバーで、桐谷悟(きりたにさとる)は合コンの真っ最中だった。フロアは数百人の男女で埋め尽くされ、酒と笑い声が飛び交っている。「桐谷さん、中岡さん来ないっすね」後輩の夏野が心配している。中岡といえば管理本部の本部長で、桐谷より5つ年上。無類の合コン好きとして社内でも有名で、どんな合コンにも誰よりも早く会場入りする男だ。しかし、今夜はどういうわけか姿を見せ…