会議時間が短くできる

日本の会議は、長いことで有名です。だらだらと1日続く会議もあります。人が集中できる時間はそんなに長くありません。

下図は、東京大学の池谷教授の実験結果のグラフです。

「60分学習」グループのガンマ波の波形
出典:「集中力の維持と長期的な学習効果につながる方法」朝日新聞デジタル 東京大学・池谷裕二教授

実験では、学習している中学生を対象とし、脳波の計測が行われました。池谷教授によると「脳波は前頭葉のガンマ波が集中力に関与していると考えられます」、「どれだけ集中力を維持しながら学習できているかを見る目安」となります。実験によりますと、「60分学習グループは時間の経過とともにガンマ帯域のパワーが低下しており、特に40分を境に急激な降下が観察」されたそうです。(出典:「集中力の維持と長期的な学習効果につながる方法」 朝日新聞デジタル 東京大学・池谷裕二教授)この場合の集中時間は40分です。

私たちの実感に近いのではないでしょうか。

40分以上になれば、集中力がなくなり緊張感のない会議に陥りやすいものです。昔、私の知っているある大手銀行は、深夜に会議をはじめ朝方まで会議をする習わしがありましたが、まったく道理に合わないことです。いまなら法令違反になることでしょう。このように日本人は根性論を好み、会議が長くなる傾向があります。

さて、オンラインTV会議では、1時間以上続く会議は、疲れると感じる人が多いようです。

池谷教授の指摘のように私たちは1時間以上の会議では、集中力が切れるのです。体は正直に反応しているのです。いままで2時間以上にわたり長々と行ってきた会議であまり疲れると感じなかったというのは、どこかで手を抜いて、聞き流しながら、集中力の調整をしていた可能性があります。したがって、オンラインTV会議は1時間を目安とするのがよいと思われます。会議が短くなり、集中力が増せば、生産性が向上します。

オンライン会議は、機動的に開催できる

会議の迅速性があります。会議を開くためには、手続きを踏み、参加者の日程時間調整に大きな労力を必要とします。会議の事前準備の負担が重く、そうした準備を経ての会議は、軽い会議でも、重要な会議でも、大仰になってしまいます。仕事を効率的に進めるためには、必要と感じたときに迅速に会議を開催することが求められます。仕事を中断させることなく、迅速に意思決定していくことはとても大事です。

オンライン会議の招集は、メールベースで、日時、議題を簡単に関係者に伝達することができます。今日のように世の中が幾何級数的に進化していることを考えるならば、会議の日程調整に時間がかかり、会議が迅速に開催できない状況はよろしくありません。全員参加ではなく、日時に都合の合う人間だけでも参加して議論を進めることはとても大事です。オンライン会議は自由度が高く、必要な人数が集まり、必要なときに必要な時間の長さだけ会議ができます。ジャスト・インタイムで議論ができるのです。