オンライン会議は、ストレスが小さくなる

会議では人間同士の波長の問題があります。人間は話をしなくても、お互いの波長が合っているか、違っているのかを見きわめる感覚をもっています。

リアルな会議では、人それぞれの波長がおもてにはっきりあらわれます。いわゆる波長が合わない人が目の前にいますと、お互いにストレスがかかり、意見を述べるのを差し控える傾向が出てきます。ところがオンライン会議では、その波長がマイルドになり、相互のストレスが低くなります。たとえ波長が合わない(馬が合わない)人が参加者にいてもあまり気にならないのです。

反対意見が出ますと、人間は本能的にそれを避けようとします。あるいは強く反応し、攻撃的な意見に走る人が出てきます。こうした感情も、オンライン会議では、画面上からは強く伝わることはありません。

オンライン会議は、上下関係が穏やかになる

上下関係の意識が穏やかになります。リアルな会議では、上司の存在感が強く、部下にはストレスが生まれます。このストレスによって理性が抑えられ、素直に意見が出てこなくなります。上司も、部下が暗く重い空気を漂わせていたら、声をかけづらくなってしまいます。

オンライン会議では、上司や部下の存在感のネガティブな側面が弱くなり、一人ひとりの個性が温存されるのです。

意見が出しやすい

日本には毎日、山のように会議の数があるのですが、意見がなかなか出てきません。意見が言いにくい雰囲気があるのです。

日本人はお互いをけん制し合い、用心深く、なかなか心を開こうとしません。また、上司と対立する考えがあればなおさらです。また上司も部下に「意見を言わせない」雰囲気をつくる人もいます。日本人は対話下手であるようです。

ところがオンラインTV会議では様子が変わってきました。これまで全く意見を言わなかった人たちが、意見を述べるようになってきたのです。これは高校、大学のオンライン授業にも同様の傾向が出ています。

オンラインTV会議は話しやすいのです。場の空気に気後れすることなく、自然体で、疑問や自分の意見を述べることができるのです。