自由と我がままはどう違う?
はじめてニューヨークに行ったときに、あの「自由の女神」を見たときの感動はいまだに忘れられません。
先日生徒に「『先生は自由に生きる』とよくおっしゃいますが、我がままに生きているのではないですか?」と質問を受けました。「自由と我がままは近いようで全く違いますよ」と答えました。
我がままとは字のごとく己の自我を通して人に迷惑をかけようが気ままに生きることなのです。
ところが自由に生きることとは、ただ使いたいだけお金を使うとか、身体のことを気にせず朝まで飲み呆けるとか、己の欲望にただ歯止めをかけずに好き勝手に生きるのではなく、精いっぱい自制して自分自身をコントロールしながらバランスよく生きることだと思います。
自由を得るためには自分で自分を律しながら生きなくてはなりません。
サラリーマンの時代はきちんと時間通り起きて出社して、定時で会社を終えて、土日は休んでとか組織で決まりごとがあり、それに従って生きていけば良かったのですが、独立すると自分で出社時間や休みを決めたり給料を決めたり、最初はそれが嬉しいようで慣れるまで面倒なものでもありました。
人間少々何かに縛られているほうが、ある面ラクな気がします。自由とは楽天地の様に見えて孤独で厳しいものでもあると思います。それでもやはり欲しいのが自由なのですよね。
最近の香港を見ているとまさにそんな気がします。
陸の孤島麻布十番
学校名を「麻布ライフスタイルカレッジ」なんて付けましたが、なぜ麻布なのですかってたまに聞かれます。
当然会社が麻布十番にあるからということも大きい理由ですが、なぜか不思議な麻布十番の魅力からかもしれません。
私の大学時代は学校が十番の近くでしたが、電車の駅もなく、大型商業施設もなく、当然雀荘もなく、唯一有名なのが麻布十番温泉でした。
卒業してずいぶん経ってから2度ほど行きましたが真茶色の天然湯で、いつも湯ぶねが熱かったことだけ覚えています。
ところが私が東京で独立したころの2000年の秋に地下鉄南北線と年末には都営大江戸線が開通してにわかに便利な土地に変わりました。
ただそれまでが超不便な街でしたので、ガラパゴス島ではありませんが、天然記念物の様な商店がいまも結構残っています。
いわゆる街の家具屋さん、布団屋さん、電気屋さん、洋品店さん等々です。おまけに六本木が地下鉄の一駅先にあるので大手の物販や飲食のチェーン店もあまり出店されていません。