【人気記事】JALの機内で“ありがとう”という日本人はまずいない
11.高校
私が卒業した高校は、皆が愛校心を抱いており同窓生のつながりがとても強いが、「同級生はいいなあ」とつくづく思う。
一学年450人もいれば、同じクラスになったり部活が一緒だったりしないとなかなか知り合わないものだ。高校時代、私の同級生の交友範囲は狭く、男子とはあまりしゃべらなかった。
ただ、学年のウワサにのぼる人の存在は知っていた。いつも模試で10番以内、スポーツ万能、応援団員など話題の「有名人」はけっこういた。
卒業生は35歳になる年、6月に卒業生全体の一千人規模の同窓会総会と、11月に女性のみの三百人規模の同窓会を主催しなければならない。
そのために、2年以上も前からたびたび学年の集まりがあり、企画を練って運営を相談する。福岡で開催されるその会のために東京から帰ってくる人もいる。
その大きい同窓会が終わってしばらくすると、42歳の時には「厄払い会」(厄年の学年の人たちを励ます会)、44歳でゴルフ会と、規模は小さいながらも地元での行事のお世話は長く続く。
そんな集まりをくり返すうちに、在学中は全く縁がなかった同級生とずいぶん知り合えた。
遠い存在だった「有名人」たちとも、今は気軽に口をきくようになった。高校の同窓生と分かると、それだけで安心し、これまで見ず知らずの他人だったのがいっきに親密な仲になることもしばしば。
東京で仕事をしている同級生Оくんがいる。理系でスポーツ系の部に所属していた彼との接点は、高校時代は全くなかった。同窓会幹事学年の任に就いて知り合った女性から、彼のことを聞いた。
その後の学年同窓会で私は受付を担当し、彼を確認することができた。社内に共通の友人知人がいて、ひとしきり盛り上がった。
それから私が上京する際には連絡を取るようになった。彼が声をかけて何人かの同級生を集めてくれた。最初は、ほとんどが初対面の同級生だった。
そうしてYくん、Iくん、Tくんと知り合い、次に上京の折はYくんが呼びかけてAくんを連れて来きてくれ……というふうに、卒業して何十年も経ってから同級生人脈はどんどん広がった。
1年時、2年時のクラスメイトの女子グループとは、在学時代からずっとつきあいを続けている。ときおり食事をしながらおしゃべりするのは大きな楽しみになっている。