俳句・短歌 句集 2021.03.20 句集「八ヶ岳南麓」より三句 句集 八ヶ岳南麓 【第3回】 浅川 健一 八ヶ岳の麓で暮らす医師の、四季折々の俳句集 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 初霜の畝突つ切つて轍あり 国道を冬菜屈託なくわたる 春泥に脚突つ込んでクレーン車
エッセイ 『遠い夢の向こうのママ[人気連載ピックアップ]』 【最終回】 かおる 身体中、痣だらけのまま着たウエディングドレス。DV夫が腕につけた痕は、結婚式の写真にもはっきり写っていた。 【前回の記事を読む】DV被害に衝動ODで入院。脳細胞の一部が死滅したらしく、言い返す気力も、考える力も、言い訳する思考力も、どこにもなかった。翌日はとても綺麗な教会で結婚式だったが、私の全身は手のひらサイズの痣だらけだった。ドレスから出ていた腕の痣だけ、結婚式の写真にも写っていた。結婚式自体はスムーズに進み、無事に終わり、その後の旅行は特にひどい喧嘩はせず満喫できた。後から聞くと、新婚旅行直前に…
小説 『愛[注目連載ピックアップ]』 【新連載】 高見 純代 50歳で身寄りのない私。昔は母に似て美人だとよく言われたが、美人は嫉妬され、偏見で見られ、足を引っぱられ… 引っ越しの荷物を全て運び出して、トラックを見送り、マンション三階の部屋へ戻った。ガランとした部屋を見わたし、私は急に淋しさを覚えた。まるで自分まで抜け殻になったみたいで、空虚さに胸がしめつけられた。後ろに束ねていた髪のゴムをとき、指で髪をほぐした。私は力なく白い壁にもたれかかってズルズルと崩れ落ち、フローリングの床にペタリと座りこんだ。しばらく茫然としていたが、西の窓から夕陽が差し込んでいるのを…