フィレンツェ郊外モンテ・オリヴェートのサン・バルトロメオ修道院に納めるべく、描かれた。マリアの右手が異常に長いのは、修道院の壁に飾られるために、右下から見られることを計算し尽くしての表現だといわれている。
北イタリアの大都市ミラノ。スカラ座の前にはレオナルドの像があり、サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会には彼が描いた壁画『「最後の晩餐』」があり、レオナルド・ダ・ヴィンチ記念国立科学技術博物館には彼の偉業が展示されている。近いうちにミラノに飛んでそんな所を見物したいものだ。
7.友人の芝居を応援
鹿鳴家くう好(かなりやくうこう)――落語と芝居をやる友人の高座名。彼は40代後半のサラリーマン。海外から帰ってきて、日本の文化を見直したいと思うようになったそうだ。東京下町の家の近所に落語教室を見つけ、習い始めた。芝居の勉強にも取り組んだ。
2003年夏のことだった。学生時代は歌舞伎研究会で活躍していた彼なので、もともと素養はあったのだろう。落語は年2回、会で高座に上がる。「全日本社会人落語選手権大会」に出場し、準優勝に輝いたこともある。
芝居の講座が終了すると、平均年齢が60になるいろんな経歴を持つ仲間と意気投合し、自分たちの趣味を生活かしてボランティアができないかと、都内のデイサービス施設の慰問を考えた。
そして日本舞踊、長唄、落語などそれぞれの特技を披露する演芸公演活動を始めた。その活動が定着し、2006年、NPO法人を立ち上げ、それを機に年一度の有料公演も手がけることになった。
第一部で落語や小唄や日本舞踊が披露され、第二部で本格的な芝居が上演される。これまで『文七元結』『高津の富くじ』『瞼の母』という江戸物で彼は主役をやった。
仕事の合間に練習を重ね素人とは思えぬ舞台を創っている。