アメリカ“ドル”の支配を覆そうとする中国とロシアの動きを解説し、米ウォール・ストリート・ジャーナル紙でベストセラーとなった話題作を伊藤裕幸氏が完全邦訳した『AFTERMATH 金融クライシスから財産を守る7つの秘策』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を編集・抜粋して紹介します。
最も優れた防諜とは分室化である。
私が仕事をした中で最も暗い省庁は、防諜に最も直接関わっている国家防諜部(NCIX)である。この組織は1954年から1975年までCIAの防諜の責任者であった伝説の二重スパイ狩りジェームズ・ジェーサス・アングルトンの意思を継ぐものである。
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NCIXの職員は外国のスパイだけでなく、諜報共同体内の二重スパイ、裏切り者それに情報漏洩者を探すスパイハンターである。
NCIXは二重スパイらしき者(アメリカ人スパイでロシアスパイを装っているが、実はアメリカに忠誠)をも狩り出すが、その者が本当は三重スパイ(アメリカ人スパイでロシアスパイを装っているが、実は本当にロシアスパイ)であることもある。この欺し、欺されるという形而上学はワイルダネスオブミラー(アメリカテレビシリーズ)と呼ばれる。