ひたすらに計器をたよりて航(ゆ)く船の 南々東に針路をとりたり
白波を分けゆく船のデッキには 北斗の柄杓(ひしゃく)が垂れて従(つ)きくる
夜あけより温かき風頬をなづ 小笠原気団の圏内に入る
【小笠原諸島】
[出航、おがさわら丸]
四季がある日本は移ろいやすいのだろうか。
行き交う人々の心や街の景色は千変万化で、過去はさらに記憶の彼方へ押しやられてしまっているかのよう。
だが、南の島々には、あの戦争を経ても変わらぬ日本の心が残されていた。
過去と現在、時間の結び目を探しながら、日本古来の清き明き心を見つける旅の歌短歌集を連載でお届けします。
ひたすらに計器をたよりて航(ゆ)く船の 南々東に針路をとりたり
白波を分けゆく船のデッキには 北斗の柄杓(ひしゃく)が垂れて従(つ)きくる
夜あけより温かき風頬をなづ 小笠原気団の圏内に入る
【小笠原諸島】
[出航、おがさわら丸]