著者・村瀬英晃氏と個性豊かな社会人で行っている勉強会、学生時代の恩師とのやりとりから生まれた自由な発想やアイデアで問題解決に繋げる水平思考について連載形式で紹介します。

中高年会社員の一つの選択肢「パラレルキャリア」

諸先輩の様々な生活を知ることができるが、「今どうしている?」「何をしている?」と聞くと、このような返事になりがちか。案外とその背後に持つ「テーマ(主題)」までは説明してくれない。

例えば、旅行といっても、各地で開催するお祭りの山車の写真撮影とか、好きな作家の小説地めぐりとか、JRローカル線の制覇、夫婦ともに好きなサッカーチームの試合の追っかけ等々、掘り下げて聞くといろいろなテーマが出て来る。

昨年春まで私の仕事を助けてくれた72歳の先輩は、片道6キロはあろう道のりを週に2回自転車で母校に通っている。今の学生が知らない技の掛け方のコツを教えたいといっていた柔道部のOBでもある先輩と偶然にも先日道ですれ違った時は、いまから大会優勝祝賀会に出かけるところだと教えてくれた。大学生との交流も楽しんでおられる。

また、外国人観光客向けガイドのテーマは、自分の英会話力を試すためという先輩OBもいる。

「第2の人生」のテーマは、青年時代に好きだったことや、没頭したことに再挑戦するとよいといった話をよく聞く。社会人になってから、多忙な日々を過ごして来た中で、どこかに置き忘れていた好奇心を呼び起こすこともよいだろう。また、社会人生活を通じて、習得・蓄積してきたノウハウを生かすテーマを探すのも一つの方法である。